Qさんは、かつて「知恵は借り物でも知恵である」と書きました
そういうことをおっしゃる人の知恵ならいくら借りてもモンクは出ませんね

第69回
株の場合も失敗に遭遇してから勉強が始まりました

私が二度目に買ったNEC株は最初に買った新日鐵株と反対で、
買った直後から株価を下げ続けました。
そして時間がたつうちにNEC株はますます株価を下げ、
NEC株の株価が頂点に達したところで買ったのだ、
ということを認めざるを得なくなりました。

私がNEC株を買ったのは今から振りかえると
バブルの絶頂の頃の勤務していた場所は
バブルのバの字も聞こえないところで、
世の中が少しにぎわってきたなあと思ったのは
隣の福岡市で地上げ騒動が報道されるようになったのと、
妻からしょっちゅうマンションを売りませんかと言う電話が
かかってくるという報告の二つくらいでした。

あとから振り返ってはじめてわかることですが、
世の中はお金の洪水現象が起こっていたのですね。
そうした時期に株を買い、私はその後の株の下落に悩み
株の基本を勉強する気を起しました。

昭和60年前後、邱さんはジャーナリズムの期待に応えて
たくさんの連載を雑誌や週刊誌に書いていました。
その頃私は新規事業の企画に追われていましたので、
その頃の書かれた連載にはほとんど目を通しておらず、
単行本として出版されたから読んでいます。
そうした本の一冊に中に『事業の目 株の目』
(PHP研究所)という本があります。
私は北九州市小倉の古本屋でこの本を見つけ、
小倉から東京に向かう新幹線の中で読みました。
読んでいて釘付けになったのは次の文章です。
「株は安い時に買って高い時に売れば、必ず儲かるもので、
理屈はその通りであっても、その法則通り実行している人は
至って少ない。というのも、景気が悪く、
株価の低迷している時は、株を買う人はもともと少なく、
証券会社のセールスマンもお客にすすめたりしない。
ところが株価が動きはじめると、セールスマンの口も軽くなって
お客の走り方にも加速がついてくる。
株の出来高を見てもわかるように下にいた間は
ほとんど売買がなかった株でも、上へ来るに従って出来高がふえ、
天井に近づくほども猛烈な出来高になって行く。
ということは、下値で株を買う人は至って少なく、
殆どの人が高値で株を買っているというということに
ほかならない。」

私はこの文章を読んでなぜ自分が株で失敗したのか
あらかた見当がつきました。
邱さんの観察に照らして自分の行動を振りかえると、
私は株価が上へ上へと動き、
人が我も我もと株を買い争った頃に
株を買っていたことが明らかになりました。
株で成果をあげようとしたら
みんなが株だ株だと騒ぐような時はそっぽを向き、
反対に相場が下がり証券会社に閑古鳥が鳴いているような時に、
株を買う行動に出なければいけないらしいということに気づきました。

株を買いたいと思うときは株を買わず
みんなが株にそっぽを向く時が株を買うチャンスだという
人間の素直な感情に反した行動をしなければ、
株で成功することができないことに気がついたのです。

この考えに従うと株とつきあう態度が180度転換します。
例えば私が2200円で買ったNECの株は
900円近くまで下げました。
買い値から見れば3分の1にまでの下げです。
しかしこういう時こそ株を買うチャンスだということになるのです。


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2002年11月4日(月)

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