第64回
邱さん曰く「本を読むのもつきあいのうち」
邱さんの本にはリコー創業者、市村清さんや
ホンダ創業者の本田宗一郎さんをはじめとして
日本が成長を遂げる過程でさまざまな分野で活躍し、
一代で会社を興した人たちがたくさん登場します。
たとえば邱さんはそういう人たちのヒストリーをとりあげた
『もうけ話』(日本経済新聞社)という本を書いています。
この本のまえがきで邱さんは、多くの成功者に会い、
その人達の行動を観察するなかで、これらの人達に共通するのは
行動力ではないかと感じたと書いています。
「知っていても、それを実行に移す人は少ないのである。
それはちょうど
『この列車に乗り込めば、2時間50分で大阪に着きますよ』
と言われても、『そうですね』と相槌を打っているだけで、
いつまでもプラットホームにいるのと同じようなものである。
それに対して、この『もうけ話』にでてくるような人々は
『2時間50分で大阪に着きますよ』といわれた途端に、
ベルの鳴るホームから直ちに列車に乗り込み、
2時間50分後にはもう大阪についている人達なのである。
人生は短い。
その短い時間を有効に使ってドンドン思うことを実行に移す人が、
5年とか10年の間に大きな事業家になっている。」
(『もうけ話』。時間は戸田が修正。)
この本を書いた石橋さんも「ドンドン思うことを実行に移す人」の
一人で、石橋さんの連載をまとめた
「不撓不屈の日々」を読むと、石橋さんが行動力に富む人物であることを
随所にみることができます。
今から思えば、私はこうした本を読み
石橋さんのような人の行動特性に親しんでいたので、
実際にそういう人に出会っても
ものおじせず、むしろそういう人と接することを
楽しむことができたように思います。
そういえば前にマスコミとのつきあいのことで
引用した『社長学入門」には
「本を読むのもつきあいのうち」という言葉がありますよ。
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