第27回
異質の意見に接すると自分自身がはっきり見えてきます。
邱さんは「40歳定年論」の提唱者です。
会社の定年は60歳ではなく、働き盛りの40歳がいいという
考えを持っています。
会社に入ってから、ある程度の期間をかけて仕事をし、
もうそれから先は「若気の至りです」とは言えない年齢が
40歳で、この40歳を定年にする。
40歳になって、会社勤めは肌が合わないというのであれば、
退職金をもらいサラリーマン生活を卒業する。
一方、会社の気風とウマが合い、引き続いて仕事をしたい
というのであれば、退職した上で再雇用の契約を結ぶ。
こういういう仕組みにすれば、働く方も仕事に取り組む
真剣味が違ってくるし、雇う方だって退職金の負担が少なくてすむ
というのが邱さんの「40歳定年論」です。
だから、私などが邱さんの文章を読み出40歳が自立・独立の
ラスト・チャンスですよ。
そのコースをとらず会社が決める定年まで働く人は
宮仕えの道を突っ走るしかありませんよ」
と書きました。
私が最初に手にした単行本、『悪い世の中に生きる知恵』でも
「定年は働き盛りの40歳が適当です」
と書いていました。
マンネリ気分に陥った私が手にした『サラリーマン出門』は、
サラリーマン生活から抜け出て、
二つの人生コースのうち
「自立・独立」の道に向かって走りだす
人に向けて書かれた本でした。
私は冒頭にも書きましたが、定年を過ぎたら仕事とオサラバ
という人生は避けたいと考えていました。
かといって、会社から一日も早く飛び出そうと考えている
わけでもありませんでした。
そういう私にとって自立、独立路線を推奨する
『サラリーマン出門』はピッタリくる本ではありませんでした。
しかしこの本を読んだことで
「じゃあいったいキミは何がしたいのだ」
と自分自身に問いかけることになりました。
そういう自分自身との応答から
「外の風が吹き込んでくる場所で仕事がしたい」
「事業感覚が養えるような部署に転出したい」
「会社の外に出て行っても、やっていける力を養成したいのだ」
といった「内なる声」が聞こえてくるようになりました。
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