| 第18回 台湾の会社の株を買う話はいまに生きています。
 
 私の本棚には『股市瞭然』という小冊子があります。邱さんが台湾で発行した台湾版「会社四季報」で、
 いまは『財訊』という雑誌に発展しています。
 どうしてこういう冊子が我が家にあるかというと『悪い世の中に生きる知恵』で邱さんが
 「台湾の会社の株への投資を買ったらどうですか」
 と書き、あわせて少しばかりだけど東京の事務所に
 台湾の会社を紹介した小冊子を置いていると書いたからです。
 邱さんによればなんでも、台湾は高度成長期で、台湾の株の配当はとても高い。
 だから買ってみたらどうですかとのことでした。
 週刊ポストも邱さんの論調に乗って、台湾の会社の株を紹介しました。
 ただ台湾の株は台湾人以外の人が台湾の外で買うことはできず、買おうとしたら現地に行って自分で買う必要があり、
 邱さんは実際に台湾の会社の工場を見学することを推奨されていました。
 海を越えた投資話には冒険心を刺激するところがあります。この話には私の姉の主人が乗り気になり
 台湾まで行こうかと身を乗り出してきました。
 ただ私は、時間もお金もなく、邱さんの事務所に置かれた
 『股市瞭然』を買うのが精一杯でした。
 残念なことではありましたが、その分だけ、その後どうなったのかに興味を持っていました。
 そうしたら邱さんがずっとあとになって書いてくれました。
 邱さんについて台湾に行ったある会社の社長さんが
 100万円のお金で台湾の会社の株を買ったところ
 いつの間にか1000万円になったというのです。
 また邱さんのご長男の世悦さんは邱さんから
 「100万円で台湾の株を買ってごらん」
 と勧められて、電気株を買い、
 気がついたら1400万円になっていたというのです。
 成長段階にある会社の株がどうなるかの話を如実に伝える話ですね。
 台湾の株は買えませんでしたが、
 その後、中国の株の話が話題に上った頃、
 私が一目散に中国の株を買ったことはいうまでもありません。
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