第5回
自分の周りで起こっている事象の関係がパッと理解できるようになりました
自分が選んだ人生が定年のある世界で、
その先、どうすればいいのかわかりません。
また地価が高くなる傾向のなかで、
妻から家を持つことを考えて欲しいと言われ、
どう考えたらいいのか答えが出せません。
私が邱さんの文章にはじめて接したのは、そうしたときでした。
「今の時代はインフレの時代だから、お金をコツコツ貯めるより、
お金を借って不動産を手に入れておくのがいい、
またできれば定期収入のある不動産がいい」
と邱さんは書いていました。
私は邱さんの経済観をもっと知ろうと思って、
本屋に行って、棚に並んでいた邱さんの既刊本を買いました。
そうすると、日本ではいま、工業化が盛んで、
付加価値がドンドン増えている。
この工業化で生まれた付加価値が回り回って、
土地の値段を上げ、株価を高くしているのだ、
大要、そういう趣旨の解説がありました。
私も私の友人も毎日毎晩、
遅くまで会社に残って仕事をしています。
私たちなども、広い意味で
付加価値増殖につながる仕事をしていることが理解できます。
こうした付加価値増殖活動が大規模に行われ、
そのことが日本各地で地価上昇を引き起こし、
中でも本社機構が集中している東京は
その傾向が顕著に起こっていると言われたら、
身の回りで体験したり、観察したりしている諸現象が、
互いに関連性を持って理解されます。
私はその年の暮れの休み、
それまでまともに見たことがなかった給料明細を前にし、
表に並んだ細かな数字の根拠をベンキョウし、
あとどれくらい貯金が増やせそうか考えることにしました。
仮に、お金を借りて家を建てるにしても、
一定の蓄えがなければ、
何事もはじまらないことにようやく気づいたからです。
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