蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第312回 (旧暦1月1日)
氷上のワカサギ釣りに挑戦してみませんか?

昨日は雪山歩きのことを書きましたから、
今日は氷の話をすることにしましょう。
仙人の冬の遊び場のひとつである
裏磐梯高原(福島県)の檜原湖(ひばらこ)では、
例年、寒に入るあたりから湖面全体が氷結期に入り、
氷に閉ざされた静寂の世界を迎えますが、
全面氷結が始まると、その氷は日増しに厚さを加え、
大寒のころには10cmを超えるまでに発達します。

そうなると、しばらく静まりかえっていた湖に
色とりどりの防寒具に身を包んだ人たちが
三々五々と繰り出してきて、
湖面には紅葉以来半年ぶりに華やぎが戻ってきます。
これは、冬の風物詩として俳句の季語にも含まれる
ワカサギの「穴釣り」が解禁となり、
それを楽しむために遠く東京あたりからも
穴釣りのファンが訪れてくるからです。

ワカサギは、サケ目キュウリウオ科ワカサギ属の淡水魚で、
太平洋側では関東地方以北の日本海側では中国地方以東の、
それぞれ汽水域に分布し、淡水への適応性が高いところから、
水温の低い各地の湖沼にも広く移植放流されていますが、
このワカサギを、結氷した湖面に穴をあけ、
氷上で釣るのが「穴釣り」です。
風物詩として紹介される穴釣りは、雪をまとった山々を背にし、
白銀の氷原上に鮮やかな色彩の衣服を身につけた釣り人が
思い思いに散らばって
釣りを楽しんでいるような光景がほとんどですが、
現実の穴釣りは、シンシンと冷え込む寒さに耐えての、
なかなかに厳しい釣りであることが多いものです。

しかも、ワカサギという魚は、日中には底層に下り、
日の出のころと夕方の薄暮のころに上層を回遊する性質のため、
気温が氷点下になる日の出前後と夕方とが
釣りのためのベストタイムとなりますから、
指先はたちまちかじかんで、
餌づけもままならなくなってしまいます。

しかし、曙光の淡い光に照らされて
氷の穴から上がってくるワカサギの姿は、神々しいまでに美しく、
この一瞬と、釣り上げたワカサギを
氷の上でテンプラなどにして食べる楽しさとが、
酷寒をもいとわず氷上に足を運ばせる
穴釣りの大きな魅力といえるでしょう。
この冬、機会があればぜひ一度氷上の釣りを楽しんでみて下さい。

ワカサギの穴釣り 釣り上げたワカサギ

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