蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第310回 (旧暦12月29日)
雪の日の楽しみ方を教えます

つい3日ほど前、関東地方南部の平野部も
この冬はじめてうっすらと雪化粧をしました。
いよいよ冬本番の到来で、これからしばらくの間は、
ときどき雪に見舞われることもある季節です。

都会暮らしをしている人たちの多くにとって、
雪というのは、交通機関がマヒしたり、
滑って転んでケガをする原因となったりしやすいため、
何かとヤッカイ者扱いをされがちですが、
首都圏以西の住人にとっては1年に数えるほどしかない
貴重な自然現象のはずですから、頭から嫌だと思わず、
それを楽しむことを考えてみてはどうでしょうか。

そこで今日は、雪の日ならではの楽しみ方のヒントを
ひとつ紹介しておくことにしましょう。
雪が積もった日の朝、家の外に出ると、庭や道路、畠地などの上に
人間や犬の足跡や車の轍(わだち)などが
クッキリと残されていることは誰でも知っているはずです。
動物生態学の世界では、こうした雪の特性を利用して、
野生動物の生態を観察・研究する方法があり、
これを「アニマル・トラッキング」と呼んでいます。

トラック(track)というのは、
足跡、痕跡、形跡などという意味ですから、
この「アニマル・トラッキング」というのは
「動物の痕跡探し」ということで、
雪上に残された足跡や糞、食べ残しの食べ物などを観察し、
その動物の見えざる生態行動を推察するわけです。
もちろん、本来のアニマル・トラッキングは、
野生動物が生息する自然のフィールドで行われるものですから、
都会で雪が積もったからといって、
これが楽しめるわけではありません。

ただ、首都圏郊外に位置する鎌倉あたりでも、
雪が積もった翌朝に山を歩くと、
野生化したイエウサギやタヌキの足跡などが見つかったりして、
自分が暮らしている街の自然や環境が
いまどのような状態になっているか、
思いがけない発見をすることがあるものです。

また、街中であっても、
雪上に刻まれた人間の足跡をつぶさに観察して見ると、
平常より歩幅が一様に狭くなっていることや、
履き物の種類によってそれぞれ歩幅が異なることなど、
ふだんは気がつかない人間の行動習性が読み取れたりして、
「うーん、ナルホドなあ」と感じることも少なくありません。

つまり、「アニマル・トラッキングごっこ」であれば、
街中であろうとどこでも楽しめるということで、
今度雪が積もったら、試しに一度、
こういう視点で雪を楽しんでみてはどうでしょう。

雪の上に残された動物の足跡。
右からキツネの足跡、
前夜通ったウサギの足跡、
新しいウサギの足跡

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