蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第307回 (旧暦12月26日)
ミカンの皮を捨てていませんか?

家族全員がコタツを囲み、ミカンを食べながら
今日1日の出来事を語りあう――。
これは、ついこの間まで、日本のどこの家でも見られた
冬の家庭団らんの光景だったように思います。
ところが、日本が少し豊かになって、
世界中から色とりどりの珍しい果実が
いくらでも入ってくるようになると、
それまで家庭団らんを巧みに演出してきたミカンの消費量が
たちまち急減し、それにつれて「家庭崩壊」が続発して
大きな社会問題となってきたことは
なんとも皮肉な結果と言わなければなりません。

もちろん、家庭崩壊をもたらしたのは
ミカンの消費量の減少だけが原因ではありませんが、
こうした経緯を考えると、どうやら家庭の幸せというやつは、
家族そろってミカンを食べられる程度の豊かさが
ちょうど良いのかもしれませんナ。

まあ、それはさておき、
ミカンが日本人にとってもっとも庶民的なフルーツであることは
今も変わりはありませんが、このミカンという果実は、
実は、日本特産の数少ないフルーツのひとつなのです。
現在、われわれがミカンと呼んでいるものは、
日本特産のタチバナを起源とする栽培種で、
コウジミカン、キシュウミカン、
ウンシュウミカンなどがありますが、
市場に出回るのはほとんどすべてを
ウンシュウミカンが占めています。

ミカンの実には、クエン酸やビタミンCが豊富に含まれますが、
果皮にはリモネンを主成分とする精油成分が含まれるため、
薬用にはもっぱら果皮が使用され、
漢方では、これを乾燥したものを「陳皮(ちんぴ)」と呼び、
健胃、咳止め、解毒などに用います。
また、民間でも、陳皮5g(1回量)に砂糖か蜂蜜を加えて
熱湯を注ぎ、風邪や咳止めに飲用したり、
健胃・胃酸過多に1日量5gを300ccの水で煎じて
服用したりするほか、冷え性や風邪の予防、肌荒れなどに
浴湯料として利用するなど、広く利用されています。

ちなみに、仙人の場合は、
果皮と実を両方活かしてミカン酒を作りますが、
風邪や咳、健胃、美容などによろしいばかりでなく、
色も呑みクチもなかなかの美酒となりますから、
みなさんもぜひ試してみてください。

作り方は、酒1.8Lに対して皮つきミカン1Lを用意し、
皮の上から10か所ほど針を刺してからビンに入れ、
氷砂糖100gを加えてホワイトリカーを注ぎ、
密封して3〜4か月熟成させますが、
漬けた実は2か月後に取り出しておきます。


←前回記事へ 2004年1月17日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ