第306回 (旧暦12月25日)
今ごろから海藻が旬の季節を迎えます
今ごろから早春にかけて、三浦半島の海辺では、
潮の引いた岩礁に立ち込んでハバノリを摘む人の姿が見られます。
もっとも、ハバノリといっても、
一般市場に出回ることはほとんどありませんから、
その姿や味に馴染のない人が多いのかもしれません。
ただ、海辺の民宿などに泊まった折、朝食に出される
「ボソッとした口ざわりの海苔のような海藻」といえば、
心当たりのある人も少なくないのではないでしょうか。
ハバノリというのは、太平洋側では宮城県以西、
日本側では佐渡ヶ島(新潟県)以南の温海域に分布する
褐藻類カヤモノリ科の海藻で、
外洋に面した岩礁の潮間帯中層に生え、
冬から早春に繁茂して、晩秋には枯死して姿を消してしまいます。
長さ10〜20cm・幅5cm内外の鳥の羽根ような形状をしているのが
「羽葉苔」の名の由来とされますが、
ノツモ葉(山陰地方)とか
ハバモ(四国地方)などとも呼ばれます。
通常は、板状に干して海苔(アサクサノリ)や
ワカメの代用品とされますが、
摘み採ったばかりの新鮮なものを生のまま酢の物にしたり、
適当に叩いて味噌汁にほうり込んだりすると、
強い磯の匂いが漂って、ひと足早い春の香りがやってくると、
三浦半島先端の通り矢まで出掛けたり、
千葉県館山の漁師から送ってもらったりしています。
また、冬から早春にかけての季節は、このハバノリ以外にも、
ワカメ、ヒジキ、マツモなどの海藻類が
一斉に旬を迎えることになりますから、
天気の良い休日には海辺に足を運び、
潮風にあたりながら海藻探しでも楽しんでみるとヨロシイ。
おしなべて買い藻類は、カルシウム、カリウム、リン、鉄などの
ミネラルやビタミン類を豊富に含む優れた健康食品ですし、
血圧効果作用のあるアルギン酸なども含まれていますから、
旬の時期にこそどしどし食べることです。
ちなみに、日本では約100種類にのぼる海藻が
食用されているのですが、アナタの場合、
このうち何種類くらいを食べているでしょうか?
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ハバノリを採る |
ハバノリの乾燥 |
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