蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第303回 (旧暦12月22日)
針葉樹はすべて「薬湯」として利用できます

どうやら日本人は、冬になると
にわかに温泉や風呂が恋しくなるようで、
毎年今ごろの時節になると、
仙人のところには雑誌やテレビから
薬湯に関する取材話がもち込まれます。
そこで今日はいまの季節にオススメの薬湯を
紹介しておくことにしましょう。

冬というのは、草は枯れ落葉樹は葉を落として
丸裸になっていますから、
必然的に常緑樹が目に付きやすいことになりますが、
そのなかでも、薬湯に使うとなれば、
針葉樹に目を向けるのがよろしい。
それは、日本に分布するすべての針葉樹に精油が含まれており、
そのいずれもが薬湯の材料として利用することができるからです。
植物に含まれる精油というのは、
アルコール類などからなる油の一種で、
それを構成する成分によって違いがあるものの、
血行を促進したり、痛みをやわらげたり、
また精神を安静にしたりするようなはたらきを持っています。

たとえば、旅館などでヒノキの浴槽の風呂に入ると、
特有の木の香に包まれ、落ち着いた気分になって
旅の疲れが癒されますが、
これもヒノキの材に含まれる精油のはたらきのひとつなのです。
また、むかしは、浴槽といえばすべて
ヒノキやサワラ、コウヤマキなどの
針葉樹の材で作られた木桶が使われていましたが、
これも、これらの材が水濡れに対して強いだけでなく、
その風呂桶で入浴することによって
「薬湯」に入るのと同じ効果が得られることになるからでした。

そんなわけで、マツでもスギでもヒノキでも、
手近に利用できる針葉樹があれば、
ぜひ一度試してみることをすすめます。
薬湯のたて方は、葉のついた枝先4〜5本を
適当な大きさに刻んで鍋に入れ、15〜20分ほど煮出し、
その煮汁を湯に加えて入浴します。

ちなみに、仙人の好みでいえば、
マツ類は身体はよく温まりますが少しベトついた感じがするため、
ヒノキ、サワラ、スギ、イブキ(ビャクシン)
といったあたりがオススメです。
なお、ヒノキとサワラとはよく似ていますが、
葉の裏を見ると、ヒノキはY字型、
サワラはX字型の白い線(気孔線)があるので区別できます。

ヒノキ イブノキ

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