蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第282回 (旧暦11月18日)
いまが「落ちハゼ」釣りの盛期です

弟子のナオちゃんが「今度は釣りを教えてほしい」と言ったため、
このあいだ腰越の漁港へハゼ釣りに出掛けました。
腰越というのは、鎌倉入りを拒まれた源義経が、
兄頼朝に宛てて「腰越状」と呼ばれる嘆願書を書いた地で、
藤沢市と隣接する鎌倉西端の地名です。
ここには、小動岬(こゆるぎみさき)に抱かれた
小さな漁港があって、毎年今ごろの季節になると
ハゼ釣りを楽しむ人で賑わいます。

ハゼというのは、広義にはスズキ目ハゼ亜目に属する魚の総称で、
世界には1500種余、日本には約150種が生息しますが、
通常、われわれが「ハゼ」と呼ぶときは
ハゼ科の「マハゼ」を差しており、
したがって、秋〜冬に釣りの対象魚とされるのも、
甘露煮などで正月料理に供するのも、
すべてこのマハゼのことだと理解してさしつかえありません。

マハゼは、北海道南部以南の日本全域と、沿海州から朝鮮半島、
中国大陸にかけての沿岸地に分布しますが、
最近では北米大陸のカリフォルニアや
オーストラリアのシドニー沿岸でも
自然繁殖していることが確認されており、
タンカーなどのバラスト水に混じって運ばれたものが
移着したのではないかと考えられています。

江戸前の釣り暦では、
ハゼ釣りは秋の彼岸のころとされてきましたが、
秋が深まるにつれて次第に深場へと移り、
今ごろの季節には水深のある港の中などに集まってくるのです。
こうして深場に寄ったものは「落ちハゼ」と呼ばれ、
彼岸の頃の小ぶりのものが刺身やテンプラで供されるのに対し、
主として正月用の甘露煮や佃煮などに利用されます。
実は、仙人の亡くなった母は、
このハゼの甘露煮作りの名人でしたが、
毎年、師走の声を聞くと、
なんとはなく落ちハゼ釣りの誘惑にかられるのは、
今もなお、その味や姿が脳裡に残っているからかもしれません。

ちなみに、深場用のハゼ釣りの仕掛けは、
1.8m〜2.1mの先調子のロッドに小型リールをセットし、
1.5〜2号の道糸に片天ビンを結び、
オモリ3〜5号、ハリス0.8号15〜20cm、
鉤は袖型7号を標準とします。

ハゼの白焼

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