第278回 (旧暦11月14日)
風邪退治に効く仙人秘伝の薬湯
今日は二十四節季の「大雪(たいせつ)」です。
「大雪」というのは、雪が大いに降り始めるという意味ですが、
暦のうえの「大雪」と実際の気象状況とが合致するのは、
北海道や標高の高い山岳地帯くらいのものでしょう。
しかし、この頃から大陸からの寒気団の南下がしげくなり、
寒さが厳しくなってきますから、
風邪には充分気をつけなければいけません。
そこで、今日は、引き初めの風邪くらいは
イッパツで治ってしまうという仙人秘伝の薬湯を
紹介しておくことにでもしましょうか。
用意するものは、ヒネショウガ1かけらガーゼが1枚。
もっとも、1かけらといっても大小さまざまですから、
新しい石鹸の半分くらい(50g程度)とでも憶えておいてください。
やり方は、そのショウガをおろし金ですりおろし、
ガーゼで漉して搾り汁をとり、この絞り汁を風呂の湯に注ぎ、
ガーゼに残った搾り滓はそのまま包んで輪ゴムなど止め、
これも湯に浮かべて全体をよくかき混ぜてから入浴します。
ショウガの根茎にはジンギベロール、シトラルなどの精油を含み、
強い発汗作用や解毒作用がありますから、
この「ショウガ湯」は風邪はもちろん、神経痛、腰痛、筋肉痛、
うち身、ねんざ、肩こりなどのほか、
女性の冷え性にも効果があります。
また、ショウガ湯の立て方にはもうひとつあり、
上記の倍量を薄い輪切りにし、
これをガーゼで包むか布袋に詰めて風呂に浮かべて入浴しても
同じ効果が得られますから、どちらでも好みの方法でどうぞ。
なお、ショウガのほか、赤とうがらし10本を薄く刻み、
細断したミカンの皮(乾燥したもの)ひとつかみと一緒に
布袋に詰め、湯船に浸して入浴しても同様の効果があります。
ただし、ショウガにしろトウガラシにしろ、
肌への刺激が強いため、乳幼児や老齢者、過敏症の人など、
皮膚の弱い人は避けたほうがよろしい。
|
ショウガをスライスして風呂に入れる |
|