蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第267回 (旧暦11月2日)
カリンの上手な利用法を教えましょう

11月28日放送のNHK教育テレビの健康番組で
「薬湯」と取り上げることになり、
仙人が取材協力することになりました。
そのロケハンの折、近所の八百屋さんの店先に
黄色く熟れたカリンの実が並べられているのに気付き、
早速これを1品加えることに決めました。

カリンは、中国原産のバラ科の落葉性中高木で、
観賞用および薬用として庭や田畑の畦などに植栽され、
秋〜初冬の頃西洋ナシの形に似た大きな果実を結びます。
この果実には、果糖、リンゴ酸、クエン酸などが含まれ、
良い香りがあるものの、果肉は硬いうえに渋味と酸味が強く、
生で食べることはできません。

そのため、もっぱら砂糖漬けや果実主として利用されていますが、
仙人はその芳香を活かし、輪切りにしたものを湯船に浮かべて
「カリン湯」を楽しんでいます。
カリンの香りの素は芳香性精油で、リラックス効果ばかりでなく、
体が温まって湯冷めしにくいうえ、
のどの痛みや咳止めにも効果がありますから、
カリンを見つけたらぜひ試してみるとヨロシイ。

また、少々手間はかかりますが、ジャムにすると、
香りも味もなかなかのスグレモノになりますので、
砂糖漬で飽き足らない人は一度ジャムを作ってみてください。
作り方は、薄くスライスして水を加えて柔らかく煮出し、
これを一旦漉してから、
砂糖(分量の6割)とレモンを入れて煮詰めます。

出来上がったカリンジャムは、
もちろん、パンに添えても上々ですが、
ジャムティー、ジャム菓子のほか、肉料理にもよく合います。

なお、カリンとよく似た果実にマルメロがあり、
しばしば混同されることがありますが、マルメロは球形に近く、
かつ、表面にビロード状の細かい毛があるのに対し、
カリンは西洋ナシ形で、表面に毛がなく、
手で撫でるとツルツルした感触なので容易に区別できます。

ちなみに、マルメロの方も、
砂糖漬けや果実種、薬湯、ジャムなどに利用できますが、
カリンと違ってのどの痛みや咳止めなどの効用はありません。

カリンの実

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