蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第265回 (旧暦10月29日)
「おしん」が食べた「大根めし」

昨日は、飢饉の折に食べられたという笹の実の話をしましたが、
この様に主食とするコメの増量材や代用食として
用いられているものを「糅(かて)」
もしくは「糅物(かてもの)」と呼び、
この糅物を加えて炊いた飯(めし)のことを
「糅めし」といいます。

コメに他の食品類を混ぜ込んで炊く飯には、
栗ご飯やキノコご飯、五目めしなどといった
「炊き込みご飯」もありますが、
これらは季節の味覚や風味を楽しむものであり、
同じ混ぜめしでも、ここにいう「糅めし」とは
その目的や用途が基本的に異なります。

糅めしというのは、凶作などでコメが足りなくなったときに、
それを節約して食い継ぐもので、
その典型的なものがテレビドラマの「おしん」で有名になった
「大根めし」です。
そこで今日は、「おしん」が食べた
「大根めし」の作り方を紹介しておくことにしますから、
後学のために皆さんもぜひ一度作って
食べてみてはどうでしょうか。

用意するものは、まずダイコンの皮をむき、
これをサイの目または短冊に切って鍋で煮ておきます。
ご飯が炊き上がったら、
鍋のダイコンを両手で強く握って水気をしぼり、
飯の上に置いて「保温」スイッチでしばらく蒸らし、
食べる直前によくかき混ぜてよそいます。
また、最初から刻んだダイコンを生のまま炊飯器に入れて、
米と混ぜて炊いてもかまいませんが、
この場合も、ダイコンは上に浮いてかたまるため、
炊き上がったら飯と混ぜ合わせて食します。

ちなみに、「おしん」の時代の「大根めし」は、
塩も味も加えずに炊いたようですから、
まずはこれとおなじ方法で炊いてみるのです。
そして、いつもと同じ分量を食べ、いつもと同じように出勤し、
いつもと同じペースで仕事にとりかかってみるとよろしい。
そうすると、すぐに腹が減ってきて、
「おしん」が食べていたこの「大根めし」というものが
どういう食べ物であったかということが
すぐに実感として理解できることになるでしょう。

つまり、「糅めし」というものは、
通常「糅物」が3分の1以上を占めるため、
大根のようにカロリーが低いものを糅に用いると、
たちまち燃料切れを起こしてしまうことになるのです。


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