蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第261回 (旧暦10月23日)
雌株と雄株では薬理効果も違うと思いませんか?

昨日はギンナンの話をしましたが、
最後に少しだけイチョウの葉の効用について書いたはずです。
実は、このイチョウの葉の薬用にあたっては、
前々からちょっと気になっていることがありますので、
今日はそのことを取り上げておこうと思います。

これはイチョウだけでなく、
クワについてもおなじことが言えるのですが、
いま、イチョウやクワの葉を原料とした健康茶が
「イチョウ茶」「クワ葉茶」などの名称で何種類も市販されており、
もしかするとこのコラムの読者の中にも
これらを飲んでいる人がいるかもしれません。

確かに、イチョウの葉には血管を拡張したり
動脈硬化を予防したりする作用がありますし、
クワの葉にはルチン、クエルセチン、シテステロール、
カンペステロールなどが含まれ、
解熱、鎮咳、抗菌などの作用のほか、
高血圧や糖尿病の予防にも効果がありますから、
これらのお茶を飲むことは大変結構なことではありましょう。

ただ、ここで仙人が気になるのは、
イチョウもクワも雌雄異株の植物であり、
厳密に言えば雌株の葉と雄株の葉とでは
成分組成に違いがあるはずですが、
そうした基礎的な研究が置き去りにされたまま
商品化が進められているということです。
ちなみに仙人は、イチョウの葉やクワの葉の健康茶を扱っている
或る健康食品会社の社長にこういう話をしたことがありますが、
そのとき、その社長がイチョウやクワが雌雄異種であること自体を
知らなかったばかりでなく、イチョウもクワも、
経済効率最優先で安価な外国産が使用されていることを知り、
アゼンとさせられたものでした。

実を言うと、雌雄異種の植物の場合、
雌株と雄株とで薬理成分上どのような違いがあるかという研究は、
まだほとんど手を付けられていないのが現状ですが、
過去の「経験」を偏重するあまり、
こうした基礎的な研究をなおざりにしてきたところに、
「東洋医学」が今ひとつ信を置かれにくい原因が
あるのかもしれません。


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