第259回 (旧暦10月21日)
多摩川の川原はダイコンの宝庫です
昨日は「1万円生活」の期間中に
仙人が家の近くで採集した食材のあらましを紹介しましたが、
身近な自然を「採集」という意識をもって観察してみると、
ときどきオモシロイ発見をすることがあります。
たとえば、つい最近のテレビの「1万円生活」のスタッフと一緒に
多摩川の川原を食材探しで歩いていたときのことですが、
仙人はそこでビックリするような光景を目にしました。
それはどういうことかといいますと、
多摩川の川原の一画が野生化したダイコンの
おびただしい群生地になっていたのです。
これは、大雨によって増水したとき、
上流から流されてきたダイコンの種子や苗などがそこに根着き、
何年かのうちに自然増殖したものでしょう。
まわりを見渡してみると、近くに1本の大きな木が生えており、
ダイコンの1mほど上まで張り出したその木の枝先に
泥で汚れたワラクズが垂れ下がっていましたから、
やはり増水時にはそこが冠水することが判ります。
しかも、もっとオモシロイことには、
そこは二子玉川駅のすぐ近くで、
川原を散策する人たちや釣り人などが
頻繁に往き来する通路の両側に広がっているにもかかわらず、
そこを通る人のだれひとりとして、
それがダイコンであることに気が付かないのです。
おそらくそれは、そこを通る人たちのほとんどが、
マサカこんなところにダイコンが生えているなんて
テンから考えておらず、たとえその姿を目にしても、
それがダイコンだと思わないからに違いありません。
これに対して、仙人の場合には、たとえ多摩川の川原であろうと
銀座通りの真ん中であろうと、そこを通るときは
常にそういう意識が働いているために、
すぐにそのことに気が付くのです。
つまり、おなじ物を目にしても、意識の持ちようによって
全然異なった結果が生じるということにほかなりません。
したがって、「1か月1万円生活」というような
節約型の生活を過ごそうとするならば、
常日頃から身近な自然に対して
こうした意識で接する習慣を身に付けておくことが大切なのです。
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