第255回 (旧暦10月17日)
「1万円生活」では青菜は野草で代用したい
「1万円生活」といえども、やはりビタミンやミネラルの素である
青菜類もオロソカにはできません。
しかし、野菜というやつも思いのほか値が張るもので、
3、4種類も籠に入れればたちまち1000円札が消えてしまうため、
ウカツに八百屋やスーパーに足を運ぶわけにはいかないのです。
そうとなれば、野に生える食草を摘み、
それでしのぐことになるのですが、
あいにく今の季節は、どの野草も地上部が枯れ果て、
食用できる状態ではありません。
だが、ご安心召され。
これから冬場にかけての季節でも、
食べられる野草が何種類も手に入れられる場所が
ちゃ〜んとあるのですナ。
そのひとつは海辺。
そして、もうひとつが陽当たりのよい川原なのです。
ちなみに仙人は、つい1週間ほど前に、
テレビの「1万円生活」のスタッフを案内して
多摩川中流の川原一帯を歩いてみたのですが、
陽当たりが良く温暖なせいで、かなりの種類の野草が
食べられる状態で残っていることがわかりました。
この日、仙人が確認した食草を参考までに並べてみると、
ミゾソバ、ヨモギ、ギシギシ、シロツメクサ、アカツメクサ、
カタバミ、ヤブカラシ、アカザ、ヨメナ、オオバコ、
ノビル(新葉)、ツユクサ、スギナ、コマツヨイグサ、
イタドリ、タンポポ、ハコベなどで、
クコやクワなど木本植物の葉を合わせると、
ざっと20種類に及びます。
一方、仙人が住む鎌倉から葉山あたりにかけての海岸では、
アシタベ、ボタンボウフウ、ツルナ、トウオオバコ、ツワブキ、
ハマダイコンなどの海岸性植物に加え、
多摩川の川原でも見たものの半数以上がありますから、
やはり20種類を超える食草が
今でも手に入れられることになるのです。
したがって、この季節でも、
多摩川の川原のようなフィールドや海岸へ行けば、
青菜として利用できる食草に不自由することはありません。
ただし、「まだ食べられる」とはいっても、
春の新芽のころと較べると、味のほうは当然ながら劣りますから、
そこは調理のウデでカバーするしかないでしょう。
つまり、おなじ「1万円生活」でも、
それを「豊かに」するか「みじめに」するかは、
日頃の生活態度や意識によって決まってくるということです。
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ツルナ |
ツワブキ |
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