第247回 (旧暦10月9日)
「貸切り」で楽しめる晩秋のキノコ山
3日ほど前に、海辺のキノコ採りの話を書きましたから、
今日は晩秋型の山のキノコについて書いておくことにしましょう。
晩秋型のキノコというのは、
霜が降りたり新雪が降った後にも発生するキノコのことで、
これから始まる紅葉狩りの折に
思わぬ収穫にありつくことも珍しくありませんから、
紅葉狩りに出掛けるときは
キノコのことも頭の片隅に留めておくとよろしい。
それでは、晩秋型のキノコにはどんなものがあるかといえば、
アカマツ林ではシモフリシメジ、カラマツ林ではキヌメリガサ、
クヌギ、コナラなどの雑木林ではクリタケ、シイ、
カシの林のナメコとムキタケなどがこれに該当します。
前にも書いたことがあると思いますが、
一般には「キノコは秋のもの」と思い込んでいる人が多いものの、
実際には、春でも夏でも真冬でも、
それぞれの季節を好んで発生するキノコがあり、
「キノコ屋」の世界では「春キノコ」「夏キノコ」「冬キノコ」
という言葉がまかり通っているほどです。
したがって、キノコに興味がある人は、いついかなる季節でも、
自然の野山を歩くときはキノコに対する用心を
ユメユメ怠るべきではありません。
それに、人間の心理というのはフシギなもので、
つい半月ほど前まではあれだけ賑わったキノコ山も、
11月の声を聞くと、途端に人っ子ひとり
姿を見せなくなってしまいますから、仙人から見れば、
晩秋の山は「貸切り」でキノコ採りが楽しめる
願ってもないフィールドということになるのです。
しかも、晩秋型のキノコというのは、総じて味が良いうえに、
群生するものが多く、1か所見つけると「いい目」に遭いやすい、
というウレシイ特徴があるのですナ。
ちなみに、いま鎌倉の山では
晩手のシイタケとナラタケが出盛りで、
仙人は昨日もビニール袋にふたつ頂いて来ましたゾ。
|