蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第239回 (旧暦10月1日)
「1万円生活」でなくとも利用価値は十分にあります

縄文人の知恵を「1万円生活」に活かすということで
木の実のことを何回かに渡って書いてきましたが、
今回は参考までに代表的な木の実の栄養成分を
紹介しておくことにしましょう。

木 の実

(%)
タンパク質
(%)


(%)


(%)


(%)


(%)
カロリー
(100gあたり)
(kcal)
クリ
55
3.1
0.5
39.6
1
0.8
180
マテバシイ
39.9
2.5
0.7
54.8
0.9
1.2
236
トチ
14.3
3.1
6.1
71.5
3.9
1.1
369
カヤ
6.7
12.2
58.3
15.5
4.5
2.8
612
イチイガシ
37.6
1.6
2.1
56.7
0.8
1.2
252
ハシバミ
6.7
18.2
58.8
11.5
3
1.8
647
ブナ
12.5
25.2
39.1
13.9
5.3
4
524
オニグルミ
4.1
23.1
60.3
8.4
1.8
2.3
626
コナラ
28.1
2.9
1.7
64.2
1.2
1.9
284
アオギリ
10.1
17.1
21.9
31
16.4
3.5
409

これらのいち、アオギリは塩炒りにして、
トチとコナラはアク抜きしてから粉にし、
小麦粉やソバ粉などと混ぜて食用しますが、
ほかのものは生でも食べられます。
もっとも、クリの場合も生食することはまれで、
一般的には焼いたり茹でたりして食べますから、
他の実も焼くか煎るかした方が食べやすいとはいえるでしょう。

ともあれ、上の表でも解るように、
いずれも脂質、糖質、タンパク質などに富み、
高カロリーの食材ですから、
「1万円生活」でなくったって利用する価値はあるというものです。
また、コナラやミズナラのドングリは、
図のような手間のかかる工程を経て
やっと食べられるようになるものですから、
いってみれば生命維持のギリギリの食材というもので、
今の時代にこれのお世話にならなければならないことは
まず無いに等しいかもしれません。

しかし、昭和になってからも、
これで生命をつないだ事例が一再ならずあったことを考えると、
万一のためにその食べ方を覚えておくことも
決してソンではないはずです。
というよりも、これも採集生活を通して創出された
貴重な生活文化遺産のひとつであり、たとえ現実性が乏しくとも、
その知恵や技法は後代まで伝え残しておくことが、
われわれに課せられた責務といっていいのです。

ちなみに、こういうものを食べていれば、
間違っても成人病などにはなりませんから、
その心配がある人は、1週間に1度くらい
ドングリ食に切り替えてみたらどうでしょうか。

コナラのドングリ ミズナラのドングリ


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