蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第237回 (旧暦9月28日)
「1万円生活」に縄文の知恵を生かすのは今がチャンスです

今日も縄文人の知恵を「1万円生活」に活用する話です。
縄文人たちの熱源(カロリー源)を支えた
主要な食物は木の実ですが、この木の実には、
クルミやクリ、ドングリ類のように堅い殻に被われたものと、
ブドウのように薄くてやわらかい果皮に包まれ、
多汁質の果肉を持つものとがあり、前者を堅果(けんか)、
後者のことを液果(えきか)と呼びます。
もう少しわかりやくいえば、
堅果というのは「ナッツ」と呼ばれるグループで、
液果のほうは「フルーツ」と呼ばれるグループだと
理解しておけばいいでしょう。

そして、両者を栄養的に比較すると、
堅果類は脂肪や炭水化物、タンパク質に富み、
カロリーが高いという特徴があり、
液果類は水分値が高く、果糖などの糖類にはすぐれるものの、
カロリーは低く、その反面、
ビタミンやミネラルに富むという特長があります。
したがって、木の実を利用するときは、
堅果類と液果類とをバランスよく摂ることが
カシコイ方法ということになり、
縄文遺跡からクリやクルミ、ドングリなどの堅果類とともに
ヤマブドウヤヤマグワなどが出土しているのは、
彼らがそのことを熟知していた証拠といっていいのです。

また、堅果であれ液果であれ、木の実というのは、
動物でいえば卵とおなじで、新しい生命を誕生させるための
「栄養貯蔵庫」のようなものですから、
その植物体のなかで最も栄養価が高い部位にあたります。
そうすると、縄文人たちが木の実を
セッセと食べていたということは、
彼らが体験的にそれを心得ていたことにほかなりませんから、
その意味でも彼らの知恵は
タイシタモノだったといわなければならないでしょう。

さて、現実に話を戻しますと、
「1万円生活」に彼らの知恵を活かすには、
今が絶好のチャンスです。
液果については次回で詳述することにして、
ここではまず堅果について紹介しておくことにしましょう。
この季節に利用できる堅果類としては、
トチやナラ類のようにアク抜きが必要なものを除いても、
写真で紹介して5種類のほか、
オニグルミ、イチョウ、カヤなどがありますし、
シラカン、ウラジロガシ、ウバメガシなどのカシの仲間は
そのほとんどが食用の対象になると考えてさしつかえありません。

仙人の洞察によれば、トチやナラ類など落葉広葉樹の実は
総じてアクが強く、アク抜きしないと食べられないのに対し、
シイヤカシなど常緑広葉樹の実は総じてアクが弱く、
その多くが生食できるようですから、
これも参考にするとヨロシイ。

マテバシイ コジイ

ハシバミ ブナ

アラカシ

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