蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第228回 (旧暦9月7日)
なつかしのトチ餅を作ってみませんか

仙人は、この10年来、毎月9月の末頃に
山梨県小菅村を訪れています。
それは、村の観光協会が主催する
「キノコ教室」に講師として招かれているからで、
今年も9月27日から29日までの3日間、
小菅村へ行ってきたところです。

ところで、その小菅村を訪れたとき、
仙人は必ずトチノキの実(トチの実)を
拾って帰ることにしています。
トチノキは、高さ30mにもなるトチノキ科の落葉高木で、
7枚の小葉からなる掌状複葉をつけるところから、
「七葉樹」とも呼ばれてきました。
この木の実は、大きさも色もクリの実とよく似ていますが、
クリの実のように頭がとんがっておらず、
「マンマルのクリの実」だとでも憶えておけば
解りやすいかもしれません。

東京の真ん中の、皇居のまわりや御茶ノ水界隈には
トチノキが街路樹として植えられていて、
例年、今ごろの季節になると、
ピンポン玉くらいの大きさの丸い実や、
それが割れて飛び出した「マンマルのクリの実」が
道路に散らばっていますから、この辺りへ出掛ける人は
ちょっと足元を注意して歩いてみることです。

トチの実には、デンプンを多量に含んでいるために、
昔は飢饉の折の備蓄食として各地で利用されてきましたが、
タンニンや強い苦み成分を含んでいて、
そのアクを抜かなければとても口にすることができません。
しかも、このアク抜きは、水さらしから乾燥まで含めると
1ヶ月もかかるほど手間がかかるものですから、
農業技術が進歩して飢饉の恐怖から解放されるとともに、
次第にトチの実の実食の習慣は廃れてしまうことになったのです。

ところが、アクを抜いたトチの実には、特有の風味があって、
これを搗き込んだトチ餅などが懐かしがられ、
しばらく前からこれで村おこしを図ろうとする山村が
いくつも出てくるまでになりました。
仙人が小菅村からトチの実を拾って帰るのも、
モチロン、それをアク抜きしてトチ粉にし、
これでトチ餅を作るためです。
また、トチノキは、葉や樹皮、趣旨などを
薬用としても利用できますが、
これについては近々日を改めて紹介することにしましょう。

トチノキの実 トチ餅を作る

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