蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第225回 (旧暦9月4日)
キノコはすぐれた調味料です

日本の家庭で生まれ育った人であれば、
日本料理の調味料としてカツオ節や昆布、煮干しなどとともに
シイタケが重用されていることは誰れでも知っているでしょう。
これは、シイタケにはグアニル酸という
ウマミ成分が含まれていて、このグアニル酸のはたらきで
料理にウマミを賦与するからですが、
実は、ほとんどのキノコにはシイタケの場合とおなじように
色々なウマミ成分が含まれているのです。

それぞれのキノコの成分に関する研究は、
薬理の分野からやっと手を着けられ始めたのが実情ですが、
それでもこれまでにきわめて注目すべき
いくつかの事実が明らかにされてきました。
たとえば、テングタケのなかまに含まれるイボテン酸や、
ハエトリシメジに含まれるトリコロミン酸といった成分は、
化学調味料のベースとされるグルタミン酸ソーダの
数倍以上のウマミを有することなどがその代表的なもので、
こうしたキノコに含まれる諸成分の研究は
今後ますます盛んになっていくでしょう。

また、ハツタケに代表されるほとんどのベニタケ科のキノコは
、肉質がモロく、ぼそぼそとした食感で、
キノコらしいシャキシャキとした持ち味はありませんが、
これらの多くが古くから重用されてきたのは、
これを加えることで「良いダシ」が出、
料理にウマミを与えるためでした。
つまり、キノコという食材は、季節感や特有の香り、
歯切れなどを楽しむだけではなく、
すぐれた調味料でもあるということで、
キノコに精通した人たちのあいだでは、
ダシ取り専用に使われているキノコまであるのです。

それは、アシグロタケといって、
夏から秋にかけてブナ科の樹木の倒木や切り株に
発生するキノコですが、傘が薄い革質で硬いうえ、
柄も短い木質で食べることはできません。
ところが、このキノコを陽に干すと
良い香りが出てすばらしいダシが取れるのです。
このアシグロタケは、木材腐朽菌で
簡単に栽培することができますから、
仙人はあるキノコ栽培業者をケシカケて、
これの栽培化を考えていますから、
近い将来、このキノコが
皆さんの目に触れることになるかもしれません。

良いダシがとれるアシグロタケ

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