蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第216回 (旧暦8月24日)
紅い実のブルーベリー

各地で栽培が行われるようになったせいか、
このところブルーベリーの人気が上昇しているようです。
そこで今日は、ブルーベリーの話でも
してみることにしましょうか。
ブルーベリーといえば、その名前のごとく、
だれもがあの青紫色の木の実を連想すると思いますが、
紅い実のブルーベリーもあることを知っているでしょうか?

ちょっとややこしい話で恐縮ながら、
実は「ブルーベリー」というのは、
特定の種につけられた名称ではなく、
本来はツツジ科スノキ属(コケモモ属ともいう)の植物を差す
総称なのです。
この仲間には、カナダを原産地にする
ハイブッシュ・ブルーベリーと呼ばれるグループと、
アメリカ東南部を原産地とする
ローブッシュ・ブルーベリーと呼ばれる
グループとがあるのですが、
このうち、栽培品種化が行われてきたのは、
もっぱら果実が青紫色に熟す前者のほうで、
これが「ブルーベリー」という名前で
日本に移入されたところから、
ブルーベリーといえばこれのことだと
思い込んでしまうことになったのでしょう。

ところが、一方のローブッシュ・ブルーベリーの仲間には、
クランベリーと呼ばれるツルコケモモやコケモモなどの
紅熟種がありますから、
これらは「紅い実のブルーベリー」ということになるのです。

ちなみに、ハイブッシュ・ブルーベリーのなかまは
日本にもあって、クロマメノキというのがそれに当たりますが
色も姿も栽培種のブルーベリーとよく似ており、
そのため、栽培種のブルーベリーのことを植物和名では
「セイヨウコロマメノキ」と呼びます。
つまり、ブルーベリーのなかまはもともと日本にもたくさんあり、
しかも、その中には紅い実をつけるものもある、ということです。

その紅い実のブルーベリーのなかでもっともポピュラーなのが
コケモモで、軽井沢などでは土産物としてこれのジャムが売られ、
ブルーベリーやクロマメノキ(アサマブドウ)のそれとともに
人気を集めています。
コケモモの実には、ブドウ糖、ショ糖、ペクチンなどが含まれ、
疲労回復や美容などに効果がありますが、
漢方では、葉を蒸してから乾燥したものを苔桃茶と呼び、
尿道炎、淋病、膀胱炎などの薬とされてきました。

紅いブルーベリー、コケモモ

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