蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第211回 (旧暦8月19日)
アルツハイマーやボケに効くキノコ

今日は敬老の日です。
そこで、「敬老」にちなんで、
老人性神経障害に効果のあるキノコの話を
紹介しておくことにしましょう。

老人性神経障害というのは、
いわゆる老人性痴呆やボケと呼ばれる症状ですが、
この老人性神経障害にも、それに至る原因の違いによって、
(1)脳血管性痴呆と、
(2)アルツハイマー型痴呆とのふたつがあります。
(1)の「脳血管性痴呆」とは、脳動脈が硬化したり、
何らかの原因で脳の血流が阻害されたりすることによって
脳細胞に必要な栄養や酸素などが
行きわたらなくなることで起こりますが、
(2)の「アルツハイマー型痴呆」というのは、
大脳皮質における神経細胞の萎縮や組織の損壊などによって
生じるもので、前脳基底核コリン作動性神経細胞(BFCN)の
障害や脳内神経伝達物質の代謝異常が
主な要因であることが知られています。

そして、ボケやアルツハイマー型痴呆症の人には、
神経成長因子(NGF)である生合成誘導促進物質を投与すると、
その症状が改善されることが解っているのですが、
実は、ヤマブシタケというキノコに含まれる
ヘリセノンやエリナシンという物質には、
このNGFのはたらきを活性化する作用があることが
明らかになってきたのです。

ヤマブシタケというキノコは、
自然界ではブナやミズナラなどの樹幹に発生する
ハリタケ科のキノコで、その形が山伏が身につける
「篠懸(すずかけ)」に似るのが名の由来ですが、
白兎がうずくまっているような姿にも見えるところから
「ウサギタケ」と呼ぶ地域もあります。
自然下では、深山に発生することと、
発生量が少ないこととで
目にする機会の少ないキノコと言えますが、
10年ばかり前からはボツボツ栽培が行われ、
現在ではスーパーなどでも売られるようになりましたから、
誰でも簡単に手に入れられるはずです。

また、このキノコには、
ガンに効くキノコとして宣伝されるアガリクス茸
(姫マツタケなどともいう)よりも
「β-D-グルカン」が多く含まれていますから、
ガンに対してもきわめて有望なキノコといえるでしょう。

ヤマブシタケ

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