蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第197回 (旧暦8月5日)
カラスウリを見つけたら

いま鎌倉ではカラスウリが実を結び始めましたが、
そういえばカラスウリの花って見たことありますか?
花びら(花冠裂片)の縁が細長く糸状に裂け、
その糸が乱垂する姿はなかなか優美なものです。

ただ、カラスウリの花は、夕方陽が落ちて暗くなってから咲く
「夜花」のため、比較的身近な存在でありながら、
その花の姿を実際に目にしている人は案外少ないのでしょう。
カラスウリの花はもう少し先の9月中旬ころまで
見られるはずですから、
暗くなってヤブ際を通るような機会があれば、
ちょっと気をつけて歩いてみてください。
ちなみに、これと似たような姿で
午後の明るい時間にたまたま見かける花がありますが、
こちらのほうは山地性のキカラスウリです。

ところでいま結実し始めたカラスウリの緑果は、
漬け物にしたり汁の実にしたりして食用できますから、
見つけたら何個か摘み採って持ち帰り、
初秋の素朴な野の味を楽しんでみるのも一興でしょう。

また、秋が深まって赤熟した果実と根は古くから薬用されており、
漢方では、果実を「王瓜(おうが)」と呼んで
浄血や催乳、利尿などに、
根を「王瓜根(おうがこん)」と呼んで
解熱、浄血、利尿、黄疸、咳止めなどに、
そして種子を「王瓜仁(おうがにん)」と呼んで
肺結核、喀血、下血、鼻血、下痢などに用いられてきました。

そのほか、民間では、冬まで残っている熟果を摘んで、
その果汁と果肉をしもやけのヒビの患部に塗布したり、
ゼンソクやのどの痛み、痛風などに根の煎じ汁を服用する、
などの療法があります。

それと、もうひとつ、仙人が子供のころには
「天瓜粉(てんかふん)」という
汗とりのベビーパウダーがありました。
この天瓜粉はキカラスウリの根からとったデンプンですが、
カラスウリの根のデンプンも
天瓜粉として十分に利用できますから、
天然ベビーパウダーを作ってみたらどうでしょうか。

カラスウリ

←前回記事へ 2003年9月1日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ