第193回 (旧暦8月1日)
キノコ採りはハツタケから始めるのがコツ
もう8月も残りわずかとなりました。
9月に入ると、そろそろ秋のキノコのシーズンが始まります。
秋のキノコは、その地域の最低気温が19度C以下の日が
3〜4日続くと顔を出し始めますから、
秋風の気配を感じるようになったら
最低気温のことを気に留めておくことです。
さて、秋になって最初に姿を見せるものに
ハツタケというキノコがありますが、なぜハツタケかといえば、
秋一番に発生するからで、漢字では「初茸」と書きます。
ハツタケは、8月の末ころから9月前半ころに
(ときには10月末まで発生)クロマツやアカマツの林内地上に
散生〜群生するベニタケ科のキノコで、
コッテリとした良いダシが出るため古くから重用されてきました。
傘の表面は淡赤褐色〜橙褐色で、濃色の同心環紋があることと、
傷つくと暗赤褐色の乳液を分泌し、
空気に触れるとこの乳液が青緑色に変わるため
判りやすいキノコです。
東北地方や山陰地方では青果店の店先に並ぶこともありますが、
これらのハツタケに青緑色のシミが見られるのはそのためで、
このシミ色から「ロクショウキノコ」と呼ぶ地域もあります。
また、キノコ図鑑などを開いてみると、
ハツタケと同じベニタケ科のキノコのなかに
シロハツだとかクロハツだとかいったように
「○○ハツ」という名前のキノコがたくさんあることに
気がつくはずです。
じつは、こうした「○○ハツ」の「ハツ」というのは
ハツタケのことで、アカハツといえば、
「ハツタケに似た赤いキノコ」もしくは
「赤いハツタケ」という意味であり、
同じように、シロハツは白いハツタケ、クロハツは黒いハツタケ、
キハツは黄色いハツタケということになります。
つまり、ハツタケというキノコは、
秋に最初に発生するだけでなく、
姿かたちが似ているグループを代表するキノコでもある
ということにほかなりません。
したがって、こうした基本となるキノコの特徴を
先ず一番先に憶えておくことが、
キノコの世界に精通する早道でもあるのです。
ところで、仙人塾では9月20日(土)と10月11日(土)の2回、
富士山で「キノコ狩り教室」を催します。
参加ご希望の方は下記まで往復はがきで申し込んでください。
詳細は近日中にこのページでお知らせします。
〔申し込み先〕
〒248-0023 鎌倉市極楽寺3−7−8
大海企画・仙人塾係
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