蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第191回 (旧暦7月29日)
ハマゴウは「君子の薬」

一昨日の日曜日、久しぶりに三浦半島先端の
城ヶ島へ行ってきました。
城ヶ島の南側に広がる浜にはハマゴウの群れがあって、
例年、夏になるとその青紫色の花が浜辺を飾るからです。

ハマゴウというのは、本州以西の海浜に生える
クマツヅラ科の落葉小低木で、感じだと「浜香」と表記します。
これは、葉や茎に特有の芳香があり、
昔は乾燥させた葉を粉にひいて香(こう)に用いたほか、
木部の皮にモクレンの樹皮とシキミの葉を混ぜて
線香を作ったからですが、
砂浜を這うように伸びるところから
ハマハイ(浜這い)と呼ぶ地域もあります。

ハマゴウの持つ香りの成分は、
カンフェン、ピネン、テルピネオールなどの精油成分で、
香や線香の材料以外にも、古くから沈痛、解熱、消炎の薬として
重用されてきました。
ちなみに、中国医薬の原典とも呼べる『神農草経』では
「筋骨間の寒熱を去り、湿痺拘攣を治し、眼を明にし、
歯を丈夫にし、九竅を利し、白虫を去る。
久しく服すれば身を軽くして老に耐える……と記し、
「上薬(君薬)」に位置付けているほどです。

漢方では、果実を蔓荊子(まんけいし)、
葉を蔓荊子葉(まんけいしよう)と呼び、
前者は頭痛、感冒、胃痛、神経痛、関節痛、眼病などに、
後者は主として打ち身や外傷の消炎剤として外用しますが、
民間では頭痛やカゼの折に果実の煎汁を服用したり、
神経痛や腰痛、関節痛、手足の痺れなどに
果実や葉を浴湯料として入浴する。などの両方があります。

仙人は、葉を健康茶や薬湯として利用するほか、
花と果実をホワイトリカーに漬けて花酒、
果実酒を作っていますから、
今日は花酒の作り方を紹介しておくことにしましょう。
花は開き始めの新しいものを摘み、
ガーゼの袋に詰めてビンに入れ
(酒1.8Lに対して0.7L、氷砂糖100g)、
密封して3ヶ月ほど冷暗所で熟成を待ちますが、
漬け込んだ花は袋ごと1週間で取り出します。

この花酒はスッキリしたのどごしで、
カゼや頭痛のほか眼の疲れにもヨロシイ。

ハマゴウの花

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