第182回 (旧暦7月11日)
薪にするにも適した木と適さない木があります
今日は「仙人流野外生活術」のつづきです。
これまで焚火やかまどのことを書いてきましたから、
今度は薪(たきぎ)について話しておくことにしましょう。
オートキャンピングのように
薪まで車に積んでいく場合は例外として、
アウトドアの焚火に使う薪類はすべて現地調達するのが原則です。
ただし、現地で調達するとはいっても、
立ち木を伐採するのはゴハットですから、
流木や倒木を拾い集めることになりますが、
こうして拾い集めた流木や倒木のなかにも、
燃えやすい木と燃えにくい木があることに
気が付いた経験はないでしょうか。
流木でも倒木でも、燃えやすいか燃えにくいかは、
その木がどの程度の水分を含んでいるかによって
決まってくるものです。
一般的に言えば、倒木よりも流木のほうが燃えやすいものですが、
これは、それが転がっている川原というフィールドは
水はけがよいうえに陽もよく当たり、
水辺ではあっても乾きやすい環境であるからです。
その木がどのくらい乾いているかを知る手っ取り早い方法は、
手で持って重さで判断することで、
太い木でも手で持ち上げてみると意外に軽いことがあるのは、
内部がよく乾いているためですから、こういう木はよく燃えます。
反対に、表面は乾いていても、
持ったときに重い感じがするものは、
内部に水分を多く含んでいるからで、燃えにくい木に属します。
また、一般に、樹皮がはがれて木部だけがむき出しになった木は、
内部も乾きやすくてよく燃えますが、
樹皮がしっかり着いているものは、
内部の組織がまだ生きており含有水分血も高いため、
燃えにくいことが多いものです。
一方、樹皮の種類によっても
薪として適した木と適さない木がありますから、
これも覚えておくことが大切でしょう。
一般的に言うと、針葉樹は総じて材質が軟らかく、
火付きはよくとも火持ちが悪いうえ、
樹脂分が多いためにいぶりやすいものです。
これに対して広葉樹は、概して材質が硬く、火付きは悪いものの、
いったん火が着くとよく燃え上がり、
火持ちのよいものが多いものです。
特に、木炭の材料となるクヌギ、ナラ類、カシ類などは、
薪の材料としても最適ですから、
これらの木を覚えておくことです。
さて、明日から、8月17日までは
仙人の夏休みのため休載させていただきますのでヨロシク。
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炭の適材とされるクヌギは薪としても最適 |
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