第181回 (旧暦7月10日)
仙人御用達の「100年梅干し」
昨日はシソの話をしましたから、そのついでに
今日は梅干しのことを書いておくことにしましょうか。
もっとも、梅干しというのは日本伝統の健康食品で、
その作り方ひとつを取り上げても、
それぞれの地方や家庭でかなりの違いがありますから、
ここでは梅干しの効用について
ざっとおさらいしておくことにします。
梅干しは、むかしから「七徳あり」といわれてきましたが、
その七徳というのは、
1.毒消し
2.防腐効果
3.病気の予防
4.頭痛を治す
5.息づかいを整える
6.流行病(はやりやまい)に対する抵抗力がある
7.味を変えない
ということで、これらはすべて
科学的にも立証されてきたことです。
梅干し(梅肉)の成分でまず第一に指摘すべき点は、
カルシウム、リン、鉄などのミネラルを多量に含んでいることで、
このミネラルは血液を弱アルカリ性に保つ働きがありますから、
高カロリー、高タンパクになりがちな現代の食生活において、
もっとも頼りになる食品のひとつであるといえるでしょう。
そして、第二には、梅肉には植物性の有機酸が含まれており、
この有機酸には胃腸のはたらきを整える作用があります。
しかも、梅の有機酸は、下痢にも便秘にも有効な
可逆性をそなえていますから、
まことに重宝な食品だといわなければなりません。
また、第三として、梅には多量のクエン酸が含まれていますが、
このクエン酸は、疲労元素である乳酸の発生を抑え、
同時に乳酸を炭酸ガスと水に分解して
体外に排出するはたらきがありますから、疲労を蓄積させず、
過労や夏バテなどの回復にもすぐれた効果を発揮してくれます。
その他、クエン酸のはたらきである
カルシウムの吸収促進作用による精神安定効果とか、
ピクリン酸のはたらきによる肝機能の促進なども
梅干し効果のひとつといえますが、
いずれにしろ、一粒七役のスグレモノであることを
もう一度認識しておこうではありませんか。
ちなみに仙人は、知人宅にある樹齢100年を超えるウメの木の実で
毎年梅干しを作って食べていますから、
100年くらいは生きられそうな気がします。
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ウメボシを干す |
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