蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第170回 (旧暦6月28日)
焚火は背中に風を受けて行うもの

昔から、アウトドアの世界は
「いつでも、どこでも、
きちんと焚火が起こせるようになって一人前」と
言われてきました。

これは、焚火の達人のなることがそれだけ難しくまた、
焚火の技術がアウトドアで
いかに大切なものであるかということを意味していると
言ってよいでしょう。
焚火を上手に起せるかどうかは、
まず火床の良し悪しで決まってくるということは
先回(第167回・7月24日)で述べた通りですが、
燃えやすい火床とは、ひとことで言えば
「空気が入りやすい火床」ということにほかなりません。

つまり、先回のダンボール箱の例で解るように、
うまく薪を燃やすためには、
地面の上に薪を直接積み上げるのではなく、
まず適当な木切れや枝などを地面に敷き、
その上で薪を燃やすことを考えればいいのです。

そして、もうひとつ大事なことは、
この火床として木の枝や丸太などを用いるときは、
必ず風の向きと平行になるように敷き並べ、
背中に風を受ける方向から薪をくべる、ということです。
また、焚火を起すときに、
最初から薪を高く積み上げる人がたくさんいるようですが、
これは、キャンプファイヤーとか遭難者の遺体を
荼毘(だび)に付すような特別の場合に行う大きな焚火法であり、
料理などに行う小さな焚火では不能率なうえ、
なかなか火が着きにくいものです。

さてこうして火床が整ったら、
火床の上に火種をたっぷりとのせて火をつけ、
燃え上がったところで、集めておいた薪のうち
一番細い割り箸や鉛筆ぐらいの太さのものを
火床と平行にくべていきます。
この細木に火がまわったら、さらに残りの細木を継ぎ足していき、
火床の上に細木の燠火(おきび)が溜まったところで、
今度は二番目に細い直径1〜2cmくらいの太さの薪を
上がっている炎を抑えるような感じでくべてやるのです。

やがて、これにも火が着いたら、
同じ要領で少しづつ太めの薪をくべてやれば、
少々の雨では決して消えることはありません。

風の向きと平行になるように薪を敷く

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