蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第166回 (旧暦6月24日)
ウナ丼好適米

今年はまだ梅雨明けを迎えていませんが、
3日前から夏の土用に入っており、
例年だと日ごとに暑さが厳しくなる季節です。
さて、夏の土用といえば、
夏バテ防止のためにウナギを食べる習慣が
江戸時代から踏襲されてきましたが、仙人は、土用に限らず、
このウナギを食べるたびにいつも思い浮かべることがあります。

それは、「ウチの店はウナ丼好適米を使っています」という
ウナギ屋がそろそろ1軒ぐらい出てきてもよさそうなものなのにナ
ということです。

どういうことかといいますと、現在、日本で作られているコメは、
品種で言うとざっと150品種以上にのぼるのですが、
品種が違うということは、大雑把に言えば、
それぞれのコメに含まれるデンプンの質と量が異なる、
ということにほかなりません。
ということは、150の品種を、品種ごとに栄養分析すれば、
150の序列ができるということです。

ところが、現在の栄養学では、
コメ(玄米)は水分15.5%、たんぱく質7.4%、脂質3.0%、
炭水化物72.8%……という成分値が示され、
献立などのカロリー計算も、
すべてこの数字を基準にして行われています。
そのため、ダイエット用のメニューでは、
米飯は比較的カロリーが高いということで、
しばしば制限されたりしているのです。

しかし、150の序列があれば、カロリー的に見ても、
そのうちのあるグループは「低カロリー米」あるいは
「ダイエット好適米」と呼べるものが
必ず出てくるはずではありませんか。
これは、食味や料理適性についても同じことで、
150の品種の中には、カレーライス好適米、
チャーハン好適米、ウナ丼好適米……といったように、
調理法や料理特性に応じてそれに適したグループが
存在することになるでしょう。

テレビのグルメ番組などでも、
ウナギ屋の紹介では「備長炭で焼いています」とは言うものの、
その下にこんもりとあるコメの飯について
「ウナ丼好適米を使っています」とは
未だかつて耳にしたことがありません。
これは、当のウナギ屋自身に「ウナ丼好適米」などという発想が
そもそも無いからですが、
少なくとも食べ物を供するプロの人たちには、
そろそろコメについて
こうした観点で見直してもらいたいものだと思うのですがネ。

イネにはさまざまな品種がある

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