第164回 (旧暦6月22日)
「閉じた焚火」と「開いた焚火」
仙人流野外生活を楽しむためには、焚火は不可欠の技術です。
最近では、ガソリンや灯油、またブタンガスなどを燃料とする
さまざまな携帯用小型コンロが普及して、
ほとんどの人たちがこれらのコンロを利用して
アウトドアライフを楽しんでいるといってよいでしょう。
しかし、いかに携帯用のコンロが普及したとはいえ、
本当のアウトドアライフを楽しむためには、
やはり焚火の技術や知識を身に着けておくことは
とても大切なことなのです。
それは、これまでもたびたび書いてきたように、
道具というものは故障したり部品の一部を紛失したりすれば、
たちまち利用できなくなってしまいますし、
悪天候が続いて日程が延び、燃料が切れてしまうことだって
十分起こり得ることだからにほかなりません。
そこで今日は、その焚火についての基本的な事柄を
おさらいしておくことにしましょう。
まず、焚火というものは、その目的や用途によって
「閉じた焚火」と「開いた焚火」とに大別されます。
「閉じた焚火」というのは、できるだけ炎を抑え、
熱や火力が分散したり逃げたりしないようにし、
小さな火力で熱効率を高めて行う焚火のことで、
用途としては炊事用の焚火がこれに該当します。
これに対して「開いた焚火」というのは、
炎を大きくして熱や火力を広く分散させる焚火をいい、
暖を取ったり、濡れた衣類や装備を乾かすときや
キャンプファイヤーなどに適した焚火です。
それでは、「閉じた焚火」と「開いた焚火」とで
どのような違いがあるかといえば、
「開いた焚火」では、火力や熱が分散・拡散するために
燃料の薪もたくさん消費することになりますが、
「閉じた焚火」の場合だと、火力や熱を効率よく利用するため、
薪の消費量も少なくて済むというわけです。
つまり、焚火で炊事をするときに、
石や木などでかまどを築くのも、
火力や熱を集中させ、少量の薪で効率よく煮炊きすることが
できるようにするための知恵なのですナ。
ということは、ひとくちに「焚火」とはいっても、
その目的によって拾い集める薪の量も、
それに要する手間も時間も違ってくるということで、
こうしたわずかな無駄を省くことも
アウトドアでは大切なことなのですゼ。
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焚火は火床に対して平行にくべるのがコツ |
キャンピングはやっぱり焚火が楽しい |
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