蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第161回 (旧暦6月19日)
冬虫夏草を探してみませんか

もう10年ほど前になるでしょうか、
陸上競技における女子長距離界を
中国の「馬軍団」が席巻したことがあります。
そして、その強さの秘密が
冬虫夏草(トウチュウカソウ)であったことが報道されるや、
これまでほとんど知られていなかったトウチュウカソウの名が
一躍世界に轟き渡ったものでした。

「冬虫夏草」というのは、本来は中国大陸奥地の高原に産する
コウモリガの幼虫から発生するキノコを指す漢薬名ですが、
現在では、セミやトンボ、ハチをはじめとする
昆虫類やクモなどに寄生するキノコ類の
総称として使われています。
「冬」のあいだは「虫」として地中にいたものが、
「夏」になると「草(キノコ)」の姿になって地上に顔を出す、
というのが「冬虫夏草」の名の由来で
中国では秦の始皇帝の時代から
不老長寿の秘薬として重用されてきた歴史があります。
こういう話をすると、ほとんどの人は、
冬虫夏草というものは
とてつもなく希少なものであると思うでしょうが、
実は、ナンノコトはない、その気にさえなれば、
東京のドマンナカである明治神宮の森でだって
意外に簡単に目にすることができるものなのです。

ちなみに、写真で紹介したものは、
ツクツクホウシの幼虫から出る「ツクツクホウシタケ」で、
これは仙人が鎌倉の山で毎年採っているものにほかなりません。
日本で多く見られる冬虫夏草としては、
ニイニイゼミの幼虫に寄生するオオセミタケのほか、
カメムシ類の成虫に寄生するカメムシタケなどがあり、
これらを総称して日本産冬虫夏草と呼びますが、
最近ではこれら日本産冬虫夏草の研究も活発に行われ、
中国産冬虫夏草とほとんど変わらない
薬理効果があることが明らかになってきました。

冬虫夏草には、制ガン作用のある多糖類をはじめ、
18種類のアミノ酸、カルシウム、クロム、ニッケルなどの無機質、
ビタミンB12、18種類の微量元素などが含まれており、
抗ガン、強壮強精、疲労回復、体質改善、沈静など
多岐にわたる効用が認められていますから、
日本産冬虫夏草の実用化が問題になるのも
遠いことではないでしょう。
仙人は、毎夏自分で冬虫夏草を採り集め、
密かに薬酒を作って飲んでいますが、
スッキリとした呑みクチで、
夏バテなどを起したことがありませんゾ。

ツクツクホウシタケの子実体(キノコ)。
土の上からこういう姿で顔を出している
掘るとこういう姿をしている

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