第146回 (旧暦6月4日)
朝鮮人参の仙人流格安入手術
諸病の妙薬として時代劇でもおなじみの薬用人参は、
一般に朝鮮人参、高麗人参などと呼ばれていますが、
正式和名ではオタネニンジンといいます。
オタネニンジンは、
朝鮮半島北部〜中国東北部原産のウコギ科の多年草で、
奈良時代に渤海国(ぼっかいこく)から
わが朝廷への献上品としてもたらされたのが
日本渡来の起源でした。
その後、朝鮮半島との交易で輸入されるようになったため、
朝鮮人参、高麗人参と呼ばれるようになったのですが、
その評判が高まるにつれ、
日本でも栽培が試みられるようになったものの、
気候風土の違いからかなかなか成功できず、
どうやら国内栽培が可能になったのは
享保年間(1716〜36年)になってからのことといわれています。
この栽培事業は幕府直轄で行われ、
栽培委託者に幕府が種子や肥料を無償で貸し与え、
収穫した分から幕府に種子を返却させたところから
「オタネニンジン」は、根にギンセノサイド、
オレアノール酸配糖体、パナキロンなどを含み、
新陳代謝を活発にし、強壮強精、健胃整腸、
利尿、補血、消炎などにすぐれた効用がありますから、
医療技術が不備であった時代には万病の良薬として
崇められたであろうことは想像に難くありません。
その名残かどうか、
現在でも韓国産というレッテルを張られたものが
かなりの高値で販売されていますが、
実は、その多くは長野県や福島県、島根県などで
栽培されたものが一度韓国に輸出され、
乾燥加工して「朝鮮人参」の名で
逆輸入されているのが実情なのです。
そこで仙人は、数年前にある生産農家を訪ね、
毎年6〜7月に1坪6000円で掘らせてもらう契約を結びました。
つまり、人参畑1坪といえば、
5〜6年モノの立派なやつが20数本は採れますから、
この方法だと、往復の交通費や宿代を払っても、
市販品の30分の1の費用で手に入れられる勘定になるのです。
身体に良いものを、こうした経済的な方法で手に入れることも、
実は仙人道を志すうえで大切なことなんですゾ。
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オタネニンジンの根 |
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オタネニンジンの実 |
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