蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第147回 (旧暦6月5日)
地球温暖化で復活する伝統の薬草

いま、地球温暖化にともなってさまざまな警鐘が打ち鳴らされ、
現実に氷河湖の決壊や海水面の上昇による国土喪失などの
危機に直面している国があります。
しかし、そうは言っても、おおかたの日本人は、
地球温暖化に対してまだまだそれほどの危機意識を
持ち合わせていないのが実情だといって過言ではないでしょう。
でも、規模の大小は別として、
温暖化の影響はすでに日本列島にも
確実に忍び寄ってきているのです。

たとえば、何年か前に発見されて大騒ぎとなった
熱帯系毒グモのセアカゴケグモは
もはや完全に日本に定住しましたし、
マラリア原虫の媒介するハマダラカが
東京などの大都市に定着するのも
モハヤ時間の問題となっているではありませんか。
さして毒性の強くないセアカゴケグモですら
あれだけの大騒ぎをした国民ですから、
東京でマラリア患者の1人か2人も発生すれば
それこそ国中が大パニックに陥ることは
火を見るよりも明らかです。

しかも、マラリア治療の経験を持つ医師など
日本にはほとんど居ませんし、
特効薬のキニーネも大アワテで
国外から取り寄せなければなりません。
地球温暖化についてこんなことを思い巡らせているとき、
仙人の頭の中にフト浮かび上がってきた
日本伝統のある薬草がありました。

それは、ミシマサイコというセリ科の多年草で、
すぐれた解熱・解毒・鎮痛・鎮静などの作用を持つところから、
江戸時代には各家庭必携の常備薬として重用されてきたものです。
東海道の三島宿で売られていたものが最良とされていたために
ミシマサイコの名で呼ばれるようになったのですが、
このミシマサイコには、サイコサイド、
アルファスピナステロールなどが含まれ、
動物の経口投与実験でもマラリア原虫の発育を阻止して
死滅させることが実証されています。

そのミシマサイコの根を乾燥させたものは
生薬名で「柴胡(さいこ)」といい、
胸腹部の痛みや風邪、ゼンソク、
肋膜炎、黄胆、悪寒発熱などにも効用がありますから、
イザというときのために憶えておいてソンはないというものです。
おそらく、日本でマラリアが発生したりするような事態になれば、
ミシマサイコのブームが復活再来するであろうと
仙人は考えているのですがネ……。

ミシマサイコ

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