蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第143回 (旧暦6月1日)
胃腸の弱い人はムクゲの花茶をドウゾ

昨日、鎌倉の裏道を歩いていて、
民家の庭にムクゲの花が咲いているのに気が付きました。
ムクゲは中国〜インド原産のアオイ科の落葉低木で、
今ごろから秋の初めにかけて花を咲かせますが、
この花のつぼみも健康茶として利用できますから、
花を摘める機会があれば花茶を作っておくことをすすめます。

ムクゲの花にはフラボノイドのサポナリンが含まれており、
漢方では、花のつぼみを乾燥させたものを
「木槿花(もくきんか)」と呼び、主として胃や腸の炎症、
下痢止めなどに用いられます。
ちなみに、中国の代表的な本草書である
『本草綱目』(1590年)には、
「生理不順や腫瘍、疥癬を治し、洗眼すれば眼病に効き、
肌に潤いを与えて体調をととのえる」ほか、
「出血性の下痢を治め、下痢に伴う渇きを止める。
また、お茶として飲めば熟睡が得られる」と書かれています。

ムクゲには園芸種も多く、花も一重と八重、
色も白花、紅花、紫花とさまざまですが、
薬用には原種系の一重の白花を用いるのが原則。
また、ムクゲの花は、朝開いて夕方にはしぼむ一日花ですから、
花茶を作るときは好天の日に朝早くつぼみを摘み、
水洗いせずそのまま天日に干してカラリと乾燥させるのがコツ。
下痢止めに用いるときは、乾燥花4〜5gを200ccの水で煎じ、
冷めないうちに飲むのが定法で作り置きせず、
飲用するたびごとに煎じるのがヨロシイ。

一方、ムクゲの樹皮には抗菌作用がある
ノナノン酸が含まれていて、中国には、
これを乾燥させたもの(木槿皮)に
サリチル酸ソーダを加えて作った水虫薬がありますが、
木槿皮を35度以上のホワイトリカーに3か月以上漬けたもの
(糖類は不要)を水虫や疥癬の患部に塗ると効果があります。

なお、春の若芽と花は、
塩ひとつまみ加えた熱湯でさっと茹でて冷水にとり、
煮物や和え物などで食用もできますから、
胃腸が弱い人はこちらもドウゾ。

ムクゲの花

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