蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第127回 (旧暦5月15日)
鎖やロープを信用してはイケマセン

今日はまた仙人流歩行術に話を戻します。
訪れる人が多い登山道やハイキングコースなどでは、
急な坂道やちょっとした岩場などに手掛かり用の鎖やロープ、
針金などが取り付けられていることがよくあります。
こういう所を上り下りする人たちを見ていると、
仙人はハラハラした気分を覚えることが少なくありません。

それは、ほとんどの人が、設置されている鎖やロープに対して
何の疑問も抱かずに、それにブラ下がって
平気で上り下りしているからにほかなりません。
しかし、こういう場所に取り付けられている
鎖やロープの安全管理は、多くの場合、
地元自治体など公的な機関で
キチンと行われているわけではありませんし、
その設置者の所在すら明確でないケースが多いのです。
つまり、それが取り付けられてから
どのくらいの年月が経っていて、強度がどの程度低下しているか、
ということがほとんどわからないのが実情だということです。

そのため、頑丈な鉄の鎖の場合はまだしも、
ロープや針金などの場合には、
自然の風雨や紫外線にさらされたり、
利用者の靴で踏みつけられたりしていますから、
実は、見た目には大丈夫そうでも、強度は意外に低下していて、
ちょっとした衝撃が加わるとイツ切れたり折れたりしても
オカシクナイ状態にあると考えなければいけません。
ロープでも針金でも、
静荷重(刺激を与えないで静かにブラ下がったような場合)
には耐えられても、スリップなどで急激な力が加えられると
簡単に切断されてしまうことが少なくありませんし、
たとえそれが破損しなくとも、
それを繋ぎ止めている支点が
雨などで緩んでいても抜けやすくなっていることもあるのです。

したがってこうしたロープや針金を使用するときは、
いきなりヤミクモにブラ下がったりせず、
それを引っ張ってみたり、静かに体重をかけてみたりして、
あらかじめ安全性や強度を確かめてみてから
利用する習慣を身につけておこうではありませんか。
というよりも、そもそもこうした鎖やロープなどは、
あくまで補助的な支点として利用するべきで、
どんな急斜面でも基本的には
自分の足で上り下りするということを忘れるべきではないのです。

ロープにつかまるときも、全体重をロープに預けるのは危険!

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