蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第124回 (旧暦5月12日)
「健康茶」って、どんなお茶?

今日も、もう一度6月9日の
「もしもしQさんQさんよ」に話を戻しますが、
その項で邱永漢さんは
「ハーブ茶のハヤる時代」が来ることを示唆されています。
邱さんの言うハーブ茶、つまり健康茶・野草茶については
仙人のレパートリーのひとつでもありますから、
これを機会に健康茶のことについて
いろいろと取り上げていくことにしましょう。

そこで、まず最初は、
そもそも「健康茶」とはどういうものなのか、
ということについて、
おおまかな説明をしておかなければなりません。
われわれが普段飲んでいる緑茶や紅茶、烏龍茶は、
チャノキという植物の葉を原料としていますが、
この植物には発汗、興奮、利尿などの作用があるカフェインや
収れん作用があるタンニンといった成分が含まれていて、
もともとは「薬」として用いられていたものでした。

ところが、喫茶の習慣が定着するとともに、
そのようとも「薬用」から「嗜好品」へと変化して今日に至り、
現在われわれが単に「お茶」というときには、
このチャノキの葉を用いたもの、
とりわけ日本では緑茶のことを意味するようになったのです。

これに対して「健康茶」というのは、
「何らかの薬理成分を有する植物の一部または全部を煎じ、
その煎じた液を飲用することによって、
いろいろな保健効果が得られるもの」をいいますから、
ハーブはもちろん、漢方の生薬や
民間療法で用いられる薬草などの多くがその対象となってきます。
もっとも、その意味からすれば、
緑茶や紅茶、烏龍茶など「チャノキ」の葉で作られるものも
健康茶のひとつということになるのですが、
実は、健康茶という呼称も概念も、
チャノキの「お茶」が定着した後に、
それと区別するために生まれたものですから、
緑茶や紅茶、烏龍茶は「健康茶」に含めないのがふつうです。

したがって、もう少し正確に言えば、
ここにいう健康茶とは
「薬理成分を有するチャノキ以外の植物を原料とし、
その成分をお茶と同じ方法で抽出して飲用するもの」
とでもいうことになるでしょうか。

ちなみに、植物に含まれる薬理成分を抽出利用する方法には、
大きく分けて、煮たり煎じたりして抽出する「熱水抽出」と、
アルコールや砂糖などの浸透圧で抽出する方法とがあり、
お茶類や薬湯(入浴料)などの場合が前者に、
果実酒や薬酒の場合が後者に該当します。

薬草を天日で干す

←前回記事へ 2003年6月11日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ