第101回 (旧暦4月19日)
ブドウ糖は脳の活動の唯一のエネルギー源
今日はまたコメの話のつづきですが、
今回は、体内に吸収されたブドウ糖が
実際にはどのようなはたらきをもたらすのか、
そのことを書いておくことにしましょう。
糖類がもたらしてくれる主なはたらきとしては、
(1)肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられ、
筋肉を動かしたり、体温を保持したり、
また、解毒機能を保持・向上させるためのエネルギーとなる。
(2)疾病に対する治癒力や抵抗力のエネルギーとなる
(3)血液によって脳に運ばれたブドウ糖は、
脳の活動のための唯一のエネルギーとなる
などといったことが挙げられますが、
「ブドウ糖が脳の活動のための唯一のエネルギー源」である
といえば、何か思い出すことはないでしょうか。
そう、ちょっと前に紹介した
「コメやムギなどの穀類が文明を誕生させた」という、
あの話です。
その項では、コメやムギ、トウモロコシなどの
でんぷん穀物が余剰食物の産出を可能にし、
それが文明を築き・支える力となったことを述べましたが、
実は、コメやムギを主食として食べるということは、
それによって得たブドウ糖で脳の活動を活発にし、
さまざまな知恵を生み出してきたということにほかなりません。
ということは、コメやムギは、
文明の誕生にとって不可欠な
「余剰食物」の産出という量的な面だけでなく、
「知恵や知識の発達」という質的な面と、
その両方のの役割を一手に果たしてきたことになるのです。
つまり、コメというものは、そういう優れた食品の
数少ないうちのひとつであるということですが、
それでは、われわれが心身ともに健全な生活を送るにあたって、
1日当たりどのくらいの糖類を摂取していけばいいのでしょうか?
ちなみに、現在の栄養学に準拠すれば、
成人1人当たりの糖類の1日必要量は、
男性で410g、女性で330gとされていますから、
これをコメのでんぷん量で換算すると、
成人男子の場合には玄米で約570g、
精白米なら約543gに相当します。
はたしてアナタの場合、
それに充当するだけのでんぷんを
きちんと食べているでしょうか。
一度そういう視点で自分の食生活を見直してみてください。
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コメは脳をはたらかせるエネルギー源でもある |
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