第88回 (旧暦4月6日)
タケノコの丸焼き
連休はいかがでしたか?
仙人は、ハルシメジを採ったり、
タケノコを掘ったりして気ままに過ごしました。
そこで今回はタケノコの話じゃ。
タケノコというのは、竹カンムリに旬(しゅん)と書くごとく、
竹・笹類の地下茎から出る新芽のことをいい、
基本的にはどの種類のタケノコも食用になります。
通常、市場に出回るものは、モウセンチク、マダケ、ハチク、
そしてネマガリダケ(チシマザサ)の4種類で、
今の時期に店先に並んでいるのはモウソウチクのタケノコです。
どの種類のタケノコも、掘りたてほど柔らかくてウマく、
時間が経つにつれて急速に硬くなり、
アク成分が増えて食味も落ちてきますから、
できるだけ掘り採ったその日のうちに食べるのがヨロシイ。
タケノコに含まれる主要なアク成分は蓚酸(しゅうさん)ですが、
掘りたてのうちにはあまり多くないものの、
一日経つと急激に増加して、重量の1%を占めるほどになります。
この蓚酸というのは、ホウレンソウなどにも含まれる物質で、
カルシウムの吸収を妨げる作用があるため、
その意味でも蓚酸値が低いうちに食べることが
望ましいといえるのですゾ。
したがって、もし掘りたてが手に入らない場合には、
きちんとアク抜きをし、
できるだけカルシウムの多い食品と
一緒に食べるように心掛けてください。
ちなみに、仙人はいつも自分で掘ったやつを食べていますが、
参考までに仙人流のちょっと豪快なタケノコ料理を
ひとつ紹介しておくことにしましょうか。
〔タケノコの丸焼き〕
(1)タケノコの尻から串や菜箸を突き入れて節を抜き、
中心部に穴をあける。
(2)この穴からショウユ(マヨネーズでもよい)を
たっぷり注入する。
(3)フキの葉やアルミホイルを丸めて穴に栓をする。
(4)焚火や炭火の燠(おき)の上に(3)のタケノコを
頭を下にしてのせ、外側の皮が黒く焦げるまで焼く。
(5)燠火から(4)を出して皮を取り除き、
縦に2〜4割してアツアツを食べる。
煮物や和え物とはひと味違った
タケノコの素朴な風味が楽しめますゼ。
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タケノコの燠火焼き |
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竹林に顔を出したタケノコ |
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