蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第76回 (旧暦3月16日)
ゼンマイの意外な利用法

鎌倉地方では、今がちょうどゼンマイの盛期です。
ゼンマイは、誰でも知っている山菜のひとつですが、
アク抜きに手間がかかることもあって、
実際には自分で摘んで食べている人は
意外に少ないように思われます。
そこでまずは、ゼンマイの下ごしらえについて
紹介しておくこととしましょう。

(1)ゼンマイの頭部についている綿毛と
巻いた葉を取り除き、軽く水洗いしてザルなどにとり、
水けをきっておく。
(2)小さじ1杯の重曹を加えた熱湯で1を茹で、
色が変わったら冷水にとって冷まし、
苦味が抜けるまで水にさらしておく。
(3)ザルに2をとって水をきり、天日で干す。
このとき、半乾きになったら1日に2回ほど手でもんで、
柔らかくほぐしながらカラリと干し上げ(3日間程度)、
湿気のこない容器に入れて保管する。

料理法は、(2)か(3)の乾燥させたものを水でもどし、
和え物、煮物、炒め物などにするのが一般的ですが、
中国料理や朝鮮料理にもよく合いますから
試してみてください。
ちなみに、市販されている干ゼンマイには
「赤干ゼンマイ」と「青干ゼンマイ」の二種類がありますが、
「赤干」というのは上記の方法で干したもの、
そして「青干」は松葉で燻蒸してから干し上げたものをいい、
食味はどちらも大きな違いはありません。
また、干しゼンマイは乾薇(かんび)と呼ばれ、
5〜10gを300ccの水で半量に煎じて
貧血や利尿に用いる民間療法があるほか、
信州の一部などでは、母乳の出をよくするために
産後に食用する習慣が伝えられています。

ところで、ゼンマイの若茎が被っている綿毛ですが、
これが意外な利用のされ方をしてきたことを
知っているでしょうか?
そのひとつは、秋田地方に伝わる「ゼンマイ織り」で、
防水性にすぐれるところから
昔は雨合羽を作るのに重用されていたのです。
そして、もうひとつは、なんとヤマメやイワナの好物である
カゲロウの羽化した直後の胴に似ているとして、
古くから渓流釣り師たちの間に伝えられており、
モチロン仙人も若いころから愛用しておりますゾ。

 
ゼンマイ  
ゼンマイ胴の毛鉤 食べるのは左手の部分だけ

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