蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第67回 (旧暦3月7日)
山菜のアク抜き法

われわれは、山菜類が持つ固有のクセ味を
「アク味」「キド味」「エグ味」などと呼んで、
それを楽しむ感覚を古くから育んできました。
ところが、山菜が持つアクという成分は、
強過ぎると食味を損なったり、
食用できなくなったりするために、
ほどよく抜いて和らげ、口に入れやすくしてやる必要があり、
この目的で行う下処理が、いわゆる「アク抜き」というやつです。

このアク抜きの基本は、
それをすべて取り除いてしまったのでは
わざわざ山菜を食べる意味がなくなってしまいますから、
抜き過ぎず、残し過ぎず、ほど良く残すこと。
しかし、山菜の種類によってアクの強さは異なるため、
多くの山菜について適切な処理ができるようになるには、
それなりの経験を重ねるしかありません。
ですが、口に含んで噛んでみて、
すこし苦みを感じる程度に抜けば、
まずほとんどの山菜に通用しますので、
この感じを早く掴めばそれほど難しいものでもないのです。

アク抜きの基本的な手順は、下図のように、
まずひとつまみの塩を加えた熱湯で軽く茹で、
すぐ冷水にとってさらしますが、
さらしすぎると山菜の風味を損なってしまいますから、
さらし過ぎないことが大切です。
とくに、軟らかな小さな芽や葉っぱ類は、
熱湯をさっとくぐらせる程度にし、
水にさらしも冷水にザブッと浸すくらいで十分でしょう。
また、中程度のアクを持つ山菜の場合も、
茹でる時間は長くせず、
水さらしの時間を少し長めにとって調整しますが、
いずれにしろ、この水さらしの段階で口に含み、
少し苦味が残っているところで引き上げるとヨロシイ。

ただし、ワラビのようにアクの強い山菜の場合は、
塩だけでなく木灰もしくは重曹「重炭酸ソーダ)を加えて茹で、
水さらしも1晩程度と長くします。
なお、山菜のアクは高温の油や味噌などによって
弱められたり消失したりしますから、
ほとんどの山菜の場合、油炒めやテンプラ、
味噌汁の具などに用いるときは
事前にアク抜きをする必要はありません。

アクの弱い山菜のアク抜き方

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