第62回 (旧暦3月2日)
ゼンソクに効く薬草
「ゼンソクに効く薬草を教えてほしい」というメールを
2通ばかり受け取りましたので、
今日はゼンソクに効用のある薬草と
その用法について書くことにしましょう。
まず、薬草を用いた療法には、
漢方と民間療法との二つがありますが、
漢方の場所には症状ごとにきちんとした処方がありますから、
漢方医に相談することをすすめます。
ちなみに、漢方でゼンソク治療に用いられる生薬としては、
イトヒメハギやオヒメハギの根を乾燥した「遠志(おんじ)」、
ナンテンの実を乾燥させた「南天実(なんてんじつ)」、
マオウの地上茎を乾燥させた「麻黄(まおう)」
などがありますが、イトヒメハギやマオウは
中国北部〜モンゴルに産する薬草で、
日本では漢方薬店でしかまず入手できません。
次に、民間療法としてゼンソクに用いられている薬草には、
アンズの種子(杏仁=きょうにん)、
キダチアロエ(蘆薈=ろかい)、
オオバコ(車前草=しゃぜんそう)、
シシウドの根(独活=どっかつ)、
タンポポ(蒲公英=ほこうえい)、ヘチマなどがあり、
それぞれの用法は以下のとおりです。
(1)アンズの種子による療法
アンズの実が熟れる6月種子を取り出して天日で乾燥。
この杏仁5gを300ccの水で煎じ、1日3回に分けて服用しますが、
食用に品種改良されたアンズの仁は効果が低い。
(2)キダチアロエによる療法
生の葉をすりおろし、1日1回おちょこ1杯ずつ飲用。
ただし、妊娠中・生理中・慢性虫垂炎の場合は不可。
(3)オオバコによる療法
花期の全草を摘んで天日乾燥し、これを煎じて
お茶代わりに飲用する。
(4)シシウドによる療法
秋に掘った根を細断して天日乾燥したもの5gを
200ccの水で煎じて服用する。
(5)タンポポによる療法
花期の全草を天日乾燥して細断したもの10g500ccの水で煎じ、
お茶代わりに飲用。
(6)ヘチマによる療法
若い果実を黒焼きし、湯に混ぜて服用。
ところで、仙人はメールをやりませんので、
直接返事が欲しい場合は電話番号か住所を
併記するようにしてしてください。
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