蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第59回 (旧暦2月29日)
目は口以上に物を言う

人間は思考する動物といわれ、
頭で理解しないとなかなか納得しない傾向があります。
しかし、頭で理解しようとするために、
簡単明瞭なことをかえってヤヤコシクしてしまっていることも
少なくないように思いませんか?
たとえば、こういうことです。

100g中
エネルギー 水分 タンパク質 脂質 炭水化物 灰分 ミネラル ビタミン
糖質 繊維 カルシウム リン ナトリウム カリウム B1 B2 ナイアシン
kcal
g
g
g
g
g
g
mg
mg
mg
mg
mg
mg
mg
mg
玄米
351
15.5
7.4
3.0
71.8
1.0
1.3
10
300
1.1
2
250
0.54
0.06
4.5
精白米
356
15.5
6.8
1.3
75.5
0.6
0.6
6
140
0.5
2
110
0.12
0.03
1.4
「四訂 日本食品標準成分表」より

上の表は、玄米と精白米との
100gあたりの成分値を比較したものですが、
これを見て玄米と精白米との栄養的な違いが
どれだけ実感的に理解できるでしょうか。
玄米と精白米とを比較すると、
胚乳とぬか層を削り取った精白米は
栄養的に玄米より圧倒的に劣る、
というのが常識化されており、
そのことは日本人なら「知識」として
誰でも知っているといって過言ではないでしょう。

ちなみに、この表の両者の数字を比較して
アナタはその常識を実感的に納得することができたでしょうか?
たしかに、ミネラルとビタミンについては
精白米は玄米の半分程度しかありませんから、
これについてはその違いが理解できると思いますが、
だからといって、世に言われるほど
両者に大きな差があるとはなかなか納得しにくいのが
実情だろうと思います。

そこで今度は下の2枚の写真を
見比べてみることにしようではありませんか。
これは、玄米と精白米とを接写撮影したものですが、
8倍程度のルーペを当てて覗いてみると、
このくらいの違いが実物でも判るはずです。
こうして見較べて見ると、
精白米や胚乳やぬか層がすべて削り取られ、
どの成分が多い少ないという前に、
玄米に較べて「何か」が
絶対的に欠落していることがひと目で判り、
思わず「ナルホドなあ」
という気持がしてくるのではないでしょうか。

このように、細かな数字の違いを頭で理解しようとするよりも、
全体を一べつすることですんなりと納得できることは
意外にたくさんあるもので、
健康について考えるうえでも、
ときにはこうした視点を持つことが必要であるように
仙人は思うのです。

玄米 精白米
拡大してみると精白米は胚芽の部分が
ソックリ失われていることがよくわかる

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