第47回 (旧暦2月17日)
磯の潮干狩
3月も後半を迎えると、
そろそろ潮干狩のシーズンが始まります。
潮干狩りといえば、
通常は潮の引いた砂浜でアサリを掘るのが相場ですが、
潮が引いて姿を表わすのはナニモ砂浜だけではなく、
磯でもふだんは水中に隠れている岩礁があらわになりますから、
たまには磯の潮干狩を楽しんでみたらどうですか?
磯にはアサリやハマグリは居ませんが、
食べられる貝類がたくさんありますし、
ワカメやヒジキなどの海藻もあって、
砂浜とはまた一味違う楽しさがあるものです。
ところで、磯に降り立つと、
磯に棲む貝類には円錐状に頭頂を尖らせた
ラセン形の固い殻を持つ巻貝の仲間が
多いことに気が付きますが、ナゼだか考えたことがありますか?
それは、磯という地形は荒い波にさらされるため、
強い波の力から身を守るには
この形状がもっとも適しているからです。
どうしてこういうことを言うかといえば、
自然を観察するということは、
ただ目の前の自然の事物を「見る」のではなく、
気が付いたこと、フシギに感じたことに対して
「ナゼだろう?」という素朴な疑問をもつことが
イチバン大切であるからです。
そして、海でも山でも野原でも、
目の前の自然に対して絶えず素朴な疑問を抱き続け、
それを自分の力で乗り越えていくと、
いつの間にか自然の仕組みや摂理が見えてきて、
「ああ、そういうことだったんだナ」と、
素直に思えるようになってくるんですナ。
そうなったら、もうシメタモノで、
気が付けばリッパな「半人前の仙人」くらいにはなっているのです。
まあ、それはともかく、せっかく磯にきたのだから、
話だけでなく、ちゃんと貝を採って帰りましょうや。
仙人のオススメは、クバガイ、バテイラ、マツバガイで、
クボガイとバテイラは海水程度の塩水で茹でて、
マツバガイはコンロに乗せて焼き、
ショウユ1滴を垂らしてアツアツをドウゾ。
潮の引いた磯で採れるマツバガイ
携帯コンロでマツバガイを焼く
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