蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第46回 (旧暦2月16日)
仙人御用達の「縄文モドキ酒」

鎌倉では、もう接骨木(せっこつぼく)の花が咲きだしました。
あっ、ゴメンナサイ、接骨木というのは生薬の名前で、
植物名ではニワトコというのでしたね。
ニワトコがどうして「接骨木」なのかというと、
昔の接骨師は、骨折の治療にこの木の枝を黒焼きしたものと
小麦粉とを酢を加えて練ったものを
患部に塗っていたからなんです。

ニワトコは、本州、四国、九州に分布する
スイカズラ科の落葉小高木で、
若芽をテンプラやおひたしで食用するほか、
花は発汗・解熱・利尿などに、
枝葉は薬湯にして神経痛やリウマチの痛みに、
木部は打ち身やネンザの湿布薬にと、
広く薬用もされる重宝な植物ですから、
おばえておいてソンはありません。
ただし、若芽はウマイからといって食べすぎると
オナカをこわしますのでホドホドに。

ところで、ひところ日本中をフットウさせた
三内丸山の縄文遺跡から
縄文人が飲んでいた三種類の酒が見つかっていますが、
その原料が何だったのか解りますか?
ひとつはヤマブドウの実、ひとつはヤマグワの実、
そしてもうひとつはニワトコの実だったのです。
つまり、縄文人はワインやリキュールの嗜む
なかなかのグルメだったのですナ。
おそらく彼らの酒は「口噛み酒」といって、
口で噛み潰した果実をツバといっしょに壷の中に吐き出し、
唾液アミラーゼで糖化発酵させたものと思われますが、
仙人は、このニワトコの実をホワイトリカーに漬けて
「縄文モドキ酒」を作っています。

作り方は、例によってカンタン至極。
紅熟したニワトコの実(酒1.8リットルに対し0.7リットル、
ハチミツ100g)をホワイトリカーに漬け、
3〜4か月冷暗所で寝かせればヨロシイ。
熟成したニワトコ酒は、冴えたガーネット色で、
のどごしスッキリ。
しかもサンブニグリンなどを含み
利尿、発汗、疲労回復、安眠などの効用があります。
もしかすると、縄文村の縄ノレンでは、
こんな酒を出していたのかもしれませんゾ。


ニワトコの花


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