蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第31回 (旧暦2月1日)
桃の花で作る「美容酒」

3月3日は「桃の節句」。
そこで今日はモモの話をしておくことにしましょうか。
モモは中国西北部原産のバラ科の果樹で、
中国では「邪気を払い、延命の効果がある。」として
古くから食用・薬用されてきましたし、
日本でも弥生時代の遺跡からモモの種子が出土していますから、
おそらくイネとおなじころに
日本にも渡ってきたものと考えられます。

漢方では、白花のつぼみを乾燥させたものを
「白桃花(はくとうか)」、種子を「桃仁(とうじん)」
という生薬名で呼び、「白桃花」は緩下剤に、
「桃仁」は」婦人病全般に使われますが、
仙人は、もっぱらモモの花酒を作って楽しんでいます。

モモの花酒の作り方は、
花粉が失われにくい朝のうちに半開の花を摘み
(酒1.8リットルに対して1.2リットル)、
水洗いせずそのままホワイトリカーに漬け込み
(氷砂糖100g)ますが、
花は1週間〜10日後に取り出しておきます。
こうして3ヶ月ほど冷暗所で寝かせると、
淡黄褐色に熟成しますから、
モモの花が手に入れられる人は作ってみてください。

ただし、ひなまつりに合わせて花屋で売られる
「ハナモモ」は実を結ばない観賞種ですから、
花酒を作る場合には実のなるモモノキの花を使うのが原則です。
モモに限らす、多くの花の花粉には、
タンパク質、脂質のほか、ビタミン、ミネラルなどが
バランスよく含まれていて、美容や疲労回復に効用があります。
また、むかしから夏の土用のころに
モモの葉を風呂に入れて入浴する習慣がありますが、
これは、モモの葉にはタンニン類が含まれ、
アセモや湿疹など夏に起こりやすい
肌のトラブルに効き目があるからで、
昔の人たちが体験的に培ってきたこうした知恵には
仙人も学ぶところが少なくありません。

それはそうと、このモモの木の下にゴールデンウィークのころ
おいしいキノコが出ることを知っていますか?
それについては、その季節が近づいたら
詳しく紹介しますから楽しみに待っていてください。


モモの花


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