蓬莱仙人・大海淳さんの
身体にいい話

第26回
仙人と薬湯は三日やったらヤメラレナイ

毎日26日は「風呂の日」です。
そこで今日は、仙人が大好きな薬湯の歴史を
チョット振り返ってみることにしましょう。

瀬戸内海の燧灘(ひうちなだ)に面した愛媛県今治市周辺には、
海岸の洞穴を利用した「石風呂(いわぶろ)」と呼ばれる
浴場遺跡いくつもありますが、
もっとも古いといわれるのは桜井海岸にある桜井石風呂で、
その始源は弘法大師(空海)によって
平安時代初期に拓かれたものといわれています。

この石風呂というのは、海岸にできた侵蝕洞穴の中で
シダ類や松葉を燃やして岩床を熱し、
その上に海水に浸したムシロを敷き並べて蒸気を立ち昇らせ、
ムシロの上に身体を横たえて蒸気浴を行うものですから、
今日のサウナ・バスのようなものでした。

こうした方式の蒸気浴の施設としては、
ほかにも京都郊外の八瀬(やせ)に伝わる
「竃風呂(かまぶろ)」や津軽・外ヶ浜の「釜風呂」などがあり、
むかしは全国各地で同様の蒸気浴が
広く行われていたことがわかります。

そして、このような蒸気浴のための
洞穴や土室(つちむろ)のことを
古くは「室(むろ)」と呼んでいましたが、
やがてその「むろ」が転訛して
「ふろ」と言われるようになったのが
「風呂」という言葉の始まりだとされているのです。

ところで、桜井の石風呂も八瀬の竃風呂も、
海水や塩水の蒸気に浴しているということは、
海水や塩水に含まれるナトリウムやマグネシウム、
カルシウムなどのミネラルを皮ふから吸収して
新陳代謝や血液循環の促進をもたらすことになりますから、
それはレッキとした薬湯であったといわなければなりません。

仙人は、こうした先人たちの知恵に習って
さまざまな薬湯を楽しんでおり、
これからも折を見ながら仙人流の薬湯を
チョイチョイ紹介していくつもりですから、
風呂好き人間はゼヒ試してみてください。
仙人と薬湯は三日やったらヤメラレナイもんですゼ。


愛媛県桜井海岸の石風呂


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