第25回
ウシの骨格と人間の骨格
昨日はウシのオッパイの話をしましたから、
そのツイデといっては恐縮ながら、
今日は人間のオッパイについて考えてみましょう。
人間のオッパイ、つまり人乳には
100g中24mgのカルシウムが含まれています。
この人乳をウシの仔が飲んだとき、
そのカルシウムを何%消化吸収できるか、
というようなケッタイな研究は
誰もやったことがないはずですから、その数値は不明ですが、
人乳を人間の乳児が飲んだ場合には、
やはり含有カルシウムの90数%が消化吸収されます。
つまり、牛乳をウシの仔が飲めば
約95%のカルシウムを消化吸収でき、
人乳を人間の児が飲めば同じような比率で
それを消化吸収するというわけですが、
それでは、おなじ母乳でありながら、
牛乳と人乳では、どうしてそれに含まれる
カルシウムの値(あたい)が違うのでしょうか?
それは単純明解アタリマエのことですが、
牛乳にはウシの骨格を形成するのに必要な
カルシウム量が含まれ、人間の母乳には
人間の骨格を形成するのに必要な
カルシウムが含まれているからにほかなりません。
ということは、人間の乳児が一人前のニンゲンとしての
身体を作り上げていく初期の段階では、
人乳に含まれているカルシウム量で
本来足りているということです。
そして、これはカルシウムだけでなく、
すべての栄養成分についてもおなじことがいえるでしょう。
ところが、最近の若い日本のオカアさんたちは、
こうした単純明解アタリマエのことを忘れ、
人間の乳児たちにとって最も理想的な母乳(人乳)でなく
「○○成分強化」といったような宣伝文句に乗せられて
セッセと調整乳(粉ミルク)で
自分のこどもを育てているではありませんか。
まさか日本の若いオカアさんたちは、
自分の子供をモウモウさんなみの骨格に
育てたいと願っているわけではないでしょうナア。
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