第23回
植物ボランティア農薬のススメ
自然の摂理に従って生きていると、
自然の世界には人智を超えた
いろいろな法則や仕組みがあるらしいということに
少しずつ気が付いてくるものです。
この連載は、主として「身近な植物をわれわれの健康に活用する」
ことをテーマにしていくつもりですが、
実は、植物が健康的な恩恵作用をもたらしてくれるのは
人間や高等動物たちに対してだけではありません。
たとえば、種の異なる植物間でも、病気を治したり防いだり、
また害虫の予防をしたりするような関係がちゃんとあるのですね。
そこで仙人は、自宅の庭に植えている樹木や草花の病害虫予防に
化学製品を一切使用せず、その季節に見られる
手近な植物を利用して害虫対策を行っているのですが、
オドロクなかれ、これが効果バツグンなんですナ。
仙人は、これを「植物ボランティア農薬」と名付け、
家庭菜園を楽しむ友人知人たちにも伝授して
おおいにヨロコバレております。
今の季節であれば、防虫用にはホトケノザ、
病気予防にはハコベが適任で、
両者を混用すれば病害虫対策が一挙に解決できるでしょう。
作り方はいたって簡単。
ホトケノザ、ハコベとも2〜3日、日陰で干してから、
各ひとつかみずつを合わせて2リットルの水で数分間煮出し、
その煮出し汁を散布すればよいのです(モチロン冷めてからですゾ)。
このとき、オオバコの煮汁を加えてやると(セッケン水でもよい)
展着率が向上して効果が高まるほか、
食酢を30〜40t添加するとさらに効果的です。
ただし、この煮汁は時間が経つにつれ濃縮しますから、
必ず散布する度に作るのがベター。
また、いくら植物煎液とはいえ、
やり過ぎれば枯れることもあるので、
散布は5日に一度くらいで十分です。
精油を含んでいたり、強い匂いやアクのある植物の多くが
こうした用途に利用できるため、
自分でいろいろ試してみるとヨロシイ。
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